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豚におけるサルモネラの保菌状況と分離菌の血清型, 薬剤感受性およびゲノム型 |
高田勇人1) 井上伸子2) 天田貴昌1) 信澤敏夫1) 中嶋 隆3)
石岡大成4) 藤田雅弘4) 森田幸雄4)†
1)群馬県食肉衛生検査所(〒370-1103 佐波郡玉村町桶越305-7) 2)群馬県渋川保健福祉事務所(〒377-0027 渋川市金井394) 3)高崎健康福祉大学健康栄養学科(〒370-0033 高崎市中大類町37-1) 4)群馬県衛生環境研究所(〒371-0052 前橋市上沖町378) |
要 約
群馬県内のAと畜場に搬入された59農場由来110頭の豚の直腸内容および胆汁からサルモネラ属菌の分離を試みた.サルモネラ属菌は7農場(11.9%)由来の8頭(7.3%)から検出され,このうち4農場由来の5頭の直腸内容からS.
Typhimuriumが検出された.また,3農場由来の3頭の直腸内容からS. Derbyが検出され,このうち1頭については胆汁からも同一の血清型が検出された(菌数:<30 MPN/100ml).分離S.
Typhimuriumは,ABPC,CP,SM,TC,FF,SMTZに耐性を示し,ファージタイプDT104と推定された.いっぽう,S. Derbyは供試薬剤のすべてに感受性であった.以上の結果から,多剤耐性S.
Typhimuriumは群馬県内で飼育されている豚に分布していることが判明した.と畜場においては,豚の衛生的取り扱いおよび環境の衛生管理に十分注意し,豚肉を介したサルモネラ食中毒の発生を未然に防止する必要があると考える.
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