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短 報

ストレプトゾトシンの単回投与により正常血糖値を
長期間維持できたインスリノーマの犬の1例

湯木正史  鈴木清美  棚橋咲子  加藤万由子  平野貴史
高橋多樹  村井厚子  阪口岳志

名古屋市 開業(〒455-0021 名古屋市港区木場町2-99)

(2007年1月4日受付・2007年5月10日受理)

要   約

 運動不耐を主訴としたゴールデン・レトリバー,10歳齢,雌に対し各種検査を行ったところインスリノーマが疑われた.確定診断のため試験的開腹を行い,膵臓左葉に結節様の腫瘤が認められたため,外科的切除を行った.病理組織学的検査からインスリノーマと診断された.手術後は無治療で良好に推移したが,約1カ月経過したところでふたたび低血糖が認められた.プレドニゾロンを中心とした治療を行い,約2カ月間は血糖値のコントロールが可能であったが,その後不可能となった.そこで,ストレプトゾトシンを投与したところ血糖値は正常に回復した.最終的にインスリノーマの治療中に発症した血管肉腫で死亡するまでの約6カ月間,ストレプトゾトシンの追加投与を必要とせず,血糖値は正常値を維持した.
―キーワード:犬,インスリノーマ,ストレプトゾトシン.

------------------------------日獣会誌 60,867〜871(2007)

 

† 連絡責任者: 湯木正史(湯木どうぶつ病院)
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