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原 著

高齢犬の行動変化と飼い主の意識調査

秋 田 恵 里    内 田 佳 子

酪農学園大学獣医学部(〒069-8501 江別市文京台緑町582)

(2006年11月13日受付・2007年4月9日受理)

要   約

 10歳以上の高齢犬72頭とその飼い主を対象に,認知障害症候群(CDS)に含まれる行動変化の発現状況と高齢犬ケアに対する飼い主の意識をアンケート調査した.行動変化は32頭(44.4%)でみられ,加齢により有意に増加,特に14歳以上で急増していた.高齢犬では,より多くの種類の行動に変化が観察された.「高齢犬との生活で困っていることは何か」という質問に対する回答は,長期間の通院や犬の行動変化が多数を占めたが,実際に困っていることに対して,約半数の飼い主が特に何もしていない現実が明らかになった.89%の飼い主がCDSに関心を持っていたが,知識を持っていたのは61%に過ぎなかった.動物病院は疾病診療と同時に,行動変化への対処法の紹介を求められており,積極的に高齢犬の管理指導や情報提供に取り組むことが必要だと思われた.
―キーワード:高齢犬,行動変化,認知障害症候群.

------------------------------日獣会誌 60,863〜866(2007)

 

† 連絡責任者: 内田佳子(酪農学園大学獣医学部獣医学科伴侶動物医療部門)
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