要 約
2002年に中国から輸入した3,148頭の実験用カニクイザルについて,35日間の輸入検疫を行い,体重測定を含む一般臨床観察,細菌学的ならびにウイルス学的検査を実施した.このうち165頭が一時的に食欲不振,258頭が1回以上の下痢を示したが,大多数は健康状態に異常を認めず,体重増加は平均雄0.26kg,雌0.16kgであった.臨床的にマールブルグ病ならびにエボラ出血熱を疑う個体は1例も観察されなかった.サルモネラ属菌と赤痢菌の培養およびツベルクリン反応は全例が陰性であった.3,148頭から無作為抽出した829頭の血清において,サルD型レトロウイルスおよびサル免疫不全ウイルス抗体はすべて陰性であった.しかしBウイルスについては400頭中39頭(9.7%)が抗体陽性であった.
―キーワード:カニクイザル,微生物学的検査,検疫.
------------------------------日獣会誌 60,809〜812(2007) |
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