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犬等の輸出入検疫規則に定められた注射法による 国内狂犬病不活化ワクチンの猫における 安全性と有効性 |
江副伸介1)† 西條加須江2) 瀧川義康2) 安田博美3) 山中盛正3)
1)(財) 化学及血清療法研究所 菊池研究所(〒869-1298 菊池市旭志川辺1314-1) 2)(社) 北里研究所(〒364-0026 北本市荒井6-111) 3)(株) 微生物化学研究所(〒611-0041 宇治市槇島町24-16) |
要 約
「犬等の輸出入検疫規則」に定められた2回注射法による国内の動物用狂犬病不活化ワクチンの猫における安全性と有効性を調べた.猫に本ワクチン1用量を2回または3回,あるいは2用量を1回および10用量を2回注射しても臨床症状および注射局所観察において異常は認められず安全であった.1カ月間隔で2回注射した場合,第2回目注射後1カ月目の中和抗体価は11,026倍となり,その後1年目の中和抗体価も5,347倍と高い値で持続した.約1年間隔で2回注射した場合,中和抗体価は第1回目注射後1カ月目に1,318倍に上昇した.その後1年目の第2回目注射時においても中和抗体価は796倍と高く,第2回目注射後1カ月目には21,081倍に上昇した.以上の成績から,検疫規則に定められた2回注射法は猫に安全かつ有効であると考えられた.
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