小動物タイトル画像

短 報

治療後に病理検査を行ったウサギの
エンセファリトゾーン症の1例

柑本敦子1)†   伊東輝夫1)   内田和幸2)   椎 宏樹1)

1)八仙会動物医療研究部(〒881-0012 西都市小野崎2-27)
2)宮崎大学農学部(〒889-2155 宮崎市学園木花台西1-1)

(2006年12月18日受付・2007年3月19日受理)

要   約

 突然の斜頸を示したウサギが来院し,臨床的にエンセファリトゾーン症(Ez症)が疑われた.フェバンテル,コルチコステロイドおよび抗生剤による治療を27日間継続し,その間に臨床症状が消失した.その後も良好な全身状態が維持され,治療終了から59日後に安楽死させ,病理検査を実施した.病理組織検査では延髄の外側前庭核に軽度のグリオーシスと単核細胞による囲管性細胞浸潤が認められた.大脳皮質と腎臓には多巣状に非化膿性肉芽腫病変が認められた.以上の所見より本症例はEz症と診断され,延髄の病変が斜頸に関与していたことが示唆された.
―キーワード:エンセファリトゾーン症,フェバンテル,ウサギ.

------------------------------日獣会誌 60,801〜804(2007)

 

† 連絡責任者: 柑本敦子(青葉動物病院)
〒880-0842 宮崎市青葉町92-1
TEL 0985-22-1228 FAX 0985-22-1227 
E-mail : koji_atsu@ybb.ne.jp