産業タイトル画像

短 報

分娩後の股関節後上方脱臼に非観血的整復術が
奏効した成乳牛の1例

清水大樹1)†    田口 清2)    池ノ内 存1)

1)遠軽地区農業共済組合連合会中央家畜診療所(〒093-0731 紋別郡湧別町字芭露194-2)
2)酪農学園大学獣医学部(〒069-0834 江別市文京台緑町582)

(2006年9月8日受付・2007年3月23日受理)

要   約

 成牛の股関節脱臼は,分娩後に発生した症例や発生後12時間を経過した症例では非観血的整復の予後は悪いと報告されているが,分娩2日後に滑走・転倒によって起立不能に陥り,その5日後に股関節後上方脱臼と診断したホルスタイン種搾乳牛(4歳,体重約750kg)に非観血的脱臼整復術を行った結果,脱臼は整復され,順調に生産活動に復した.乳熱や坐骨神経麻痺の臨床症状がなかったことが非観血的整復の成功した理由であると考えられた.
―キーワード:成牛,股関節脱臼,非観血的脱臼整復術.

------------------------------日獣会誌 60,791〜793(2007)

 

† 連絡責任者: 清水大樹(遠軽地区農業共済組合連合会中央家畜診療所)
〒093-0731 紋別郡湧別町字芭露194-2
TEL 01586-6-2111 FAX 01586-6-2381 
E-mail : simizutaiki@yahoo.co.jp