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原 著

サイレージのマイコトキシン汚染が黒毛和種子牛の
発育と疾病に与える影響

小形芳美1)†  和田賢二1)  藤倉尚士1)  高橋浩吉1)  大塚浩通2)
永幡 肇3)  小岩政照3)

1)山形県農業共済組合連合会置賜家畜診療所(〒992-0002 米沢市窪田町矢野目3668-3)
2)北里大学獣医畜産学部(〒034-8628 十和田市東23番町35-1)
3)酪農学園大学獣医学部(〒069-0836 江別市文京台緑町582)

(2006年9月4日受付・2007年3月12日受理)

要   約

 黒毛和種牛繁殖農場34戸で,自給粗飼料のマイコトキシン汚染と子牛の発育および疾病発生との関連が調査された.アフラトキシン(AF)B 1汚染が,コーンサイレージ22検体中5検体,ラッピング調製グラスサイレージ11検体中2検体で検出され,母牛の乳汁へのAFM1汚染をもたらした.デオキシニバレノール汚染は,コーンサイレージ1検体で検出された.汚染サイレージが給与された農場では,子牛の日増体量の低下(P<0.05),下痢症の増加(P<0.01)および流早産の増加(P<0.05)が見い出され,下痢発症例では血清ASTが上昇し(P<0.05),MHCCD14単球数が減少していた(P<0.01).以上の結果から,マイコトキシン汚染飼料と子牛の発育低下および下痢発生は,免疫応答能の低下を介して関連することが示唆された.
―キーワード:子牛,下痢,黒毛和種,マイコトキシン,サイレージ.

------------------------------日獣会誌 60,785〜790(2007)

 

† 連絡責任者: 小形芳美(山形県農業共済組合連合会中央家畜診療所)
〒990-2171 山形市大字七浦字北川原286-1
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