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行政・獣医事

動物用医薬品副作用症例報告
(平成17年8月分)

薬事法第77条4の2に基づく動物用医薬品副作用症例報告を次のとおり掲載する.



医 薬 品 の 名 称
(製造(輸入)業者名)

副 作 用 発 現 動 物

副 作 用 等 発 現 の 概 要 及 び 転 帰
フェロバックス5
(猫ウイルス性鼻気管炎・猫カリシウイルス感染症・猫汎白血球減少症混合・猫白血病・猫クラミジア感染症混合不活化ワクチン)
共立製薬(株)
製造番号:223229A

種類


年齢等

投与前の健康状態

疾患等

関連医薬品の投与歴等

投与量

投与法

投与
年月日

併用薬

副作用
発現
年月日 (投与後
時間)

副作用等の
種類

講じた処置

転帰
猫 スコティッシュフォールド 5月齢 健康,平成17年7月16日
耳疥癬症
イベルメクチン, ビクタス, ペニシリン, ケナコルト (耳疥癬治療のため) 1ml
(1バイアル), 皮下注射
平成17年 8月14日   平成17年 8月20日 食欲低下,発熱,虚脱
注射前の臨床観察で異常は認められなかったため,平成17年8月14日に用法用量どおりに本剤を注射した.注射直後も特に異常は認められなかった.注射6日後に食欲減退,発熱を訴えて再来院したため,対症療法にて経過観察したが,注射8日後の平成17年8月22日に診察台の上で急変し救命措置を実施したがそのまま死亡した.
対症療法:
リンゲル補液(ビタミンC.デキサメサゾン,メチロン混合),バイトリル

急変時: 気管挿官,酸素吸入,心肺蘇生処置
死亡

《企業の意見及び対応》

  • 担当獣医師: ワクチン注射前は特に一般症状に異常はなく,元気・食欲ともにあったが,ワクチン注射後に今回のような経過をたどったのは,ワクチンによる副反応である可能性が大であると思われる.
  • 企    業: 本剤を注射してから異常を認めて治療を開始したのが6日後,急変して死亡に至るまでにさらに2日(注射後8日)が経過しており,本剤以外の要因を考慮すべき症例と考えられる.対症的治療とあわせ,生化学的検査等を実施していれば何らかの有用な情報を得られた可能性があるが,本剤との因果関係の特定は困難である.
  • 対    応: 今後も関連安全性情報の収集に努め,必要に応じて注意喚起等の対応をしたい.
 
家畜衛生週報(No. 2893)より