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短 報

犬の消化管間質腫瘍の2例

乙部有加  森  崇   坂井田 誠  山田雅人  小林慶哉
児玉篤史  酒井洋樹  丸尾幸嗣

岐阜大学応用生物科学部(〒501-1193 岐阜市柳戸1-1)

(2006年10月2日受付・2007年2月19日受理)

要   約

 腹腔内腫瘤が疑われた2頭の犬に対して開腹手術を行い,それぞれ盲腸(症例1)および胃幽門部(症例2)の腫瘍を摘出したところ,病理学的に消化管間質腫瘍(GIST)と診断された.症例1は術後10カ月経過した時点で転移,再発等認めず,経過良好であるが,症例2は術後38日で腹腔内に転移し,術後55日目に死亡した.Ki-67の陽性率は症例1で4.4%,症例2で19.2%であり,細胞分裂指数はそれぞれ0.25%と1.1%であった.今回の症例の予後については,症例1では比較的良性であったが,症例2では極めて悪性であり,GISTの予後はさまざまなものが存在する可能性が示唆された.また,Ki-67の陽性率および細胞分裂指数はGISTの予後因子となりえる可能性がある.
―キーワード:犬,GIST,予後.

------------------------------日獣会誌 60,729〜732(2007)

 

† 連絡責任者: 森  崇(岐阜大学応用生物科学部獣医学講座獣医分子病態学分野)
〒501-1193 岐阜市柳戸1-1
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