猫の扁平上皮癌と骨肉腫よりなる唾液腺悪性混合腫瘍の1例 |
小山田敏文1)† 奧島久孝2) 安藤 亮1) 朴 天鎬1) 吉川博康1)
1)北里大学獣医学部(〒034-8628 十和田市東23番町35-1)
2)愛媛県 開業(〒791-8032 松山市南斉院町650-2)
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(2006年12月4日受付・2007年2月15日受理)
要 約
10歳,雄の日本猫が喉の異常音,嘔吐,やがて嚥下困難を発し,触診およびX線検査により右下顎腺の腫大が発見された.摘出した下顎腺は病理組織学的,免疫組織化学的に希有な組織像を示す唾液腺悪性混合腫瘍と診断された.腫瘍巣の全域にわたって正常な下顎腺組織は存在せず,扁平上皮癌,間質における筋上皮細胞の増殖巣,筋上皮細胞の骨芽細胞への分化と類骨・石灰化骨梁の旺盛な形成を伴った骨肉腫により構成されていた.しかし,腫瘍巣には粘液性基質や軟骨性基質はまったく存在せず,猫でこれまでに報告のないまれな混合腫瘍であった.
―キーワード:猫,唾液腺悪性混合腫瘍,下顎腺.
------------------------------日獣会誌 60,724〜728(2007) |
† 連絡責任者: |
小山田敏文(北里大学獣医学部獣医学科獣医病理学研究室)
〒034-8628 十和田市東23番町35-1
TEL
0176-24-9433 FAX 0176-23-8160
E-mail : oyamd@vmas.kitasato-u.ac.jp |
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