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| 呼吸器病を主徴とした搾乳牛の牛コロナウイルス病 |
後藤敬一1） 石橋和樹1）† 江健二郎2） 山中章喜3）
| 1）福岡県中央家畜保健衛生所（〒812-0881 福岡市博多区井相田2-1-3） 2）福岡県筑後家畜保健衛生所（〒833-0041 筑後市大字和泉606-1） 3）福岡県八女中央家畜診療所（〒834-0064 八女市蒲原字中道端1962-5） |
（2006年8月29日受付・2007年3月5日受理）
要 約
2004年1月，38頭のホルスタイン種を飼養する酪農場において，呼吸器症状を主徴とし，下痢および搾乳量の減少を伴う疾病が認められた．発症牛群の糞便および鼻腔拭い液から牛コロナウイルス（BCV）遺伝子が検出されるとともに，鼻腔拭い液からBCVが分離され，さらに，発症期および回復期の血清でBCVに対する鶏赤血球凝集抑制抗体価が有意に上昇した．いっぽう，牛RSウイルス，牛伝染性気管支炎ウイルス等の呼吸器病起因ウイルスは抗原検索，分離ともに陰性であり，抗体検査でも有意な上昇を示さなかった．また，有意な病原細菌および寄生虫は確認されなかった．これらの結果から今回の症例はBCV単独によるものと思われた．
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