要 約
牛群における免疫プロファイルテストの有用性を明らかにするため,飼養管理が異なるA,BおよびC群において代謝プロファイルテストに加え,末梢血単核球の解析を試みた.AおよびB群の周産期疾病の発生率がC群に比べ高かった.血液生化学成績においてA群では乾乳期に遊離脂肪酸(NEFA)が他の2群に比べ高値であり,B群では乾乳期から泌乳期にかけて総コレステロール(TC)と血糖値が他の2群に比べ高値であった.C群ではこれらの成績はほぼ正常範囲内にあった.免疫学的検査からA群では,分娩後1から4カ月にかけてCD4+/CD8+比およびIFN-γ/IL-4比がB群とC群に比べ低い傾向にあった.これらのことから牛群における免疫プロファイルテストは牛群の免疫状態を評価するために有用であり,乾乳期の飼料設計に不足のあったA群では分娩後に細胞性免疫機能が低下しているものと示唆された.
―キーワード:乾乳期,免疫プロファイル,栄養,周産期疾病.
------------------------------日獣会誌 60,709〜714(2007) |
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