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日本獣医師会小動物臨床部会動物愛護福祉委員会では,「動物愛護管理に対策における獣医師の果たす役割(緊急災害時における動物救護活動のあり方)」をテーマとして検討を行ってきた.「緊急災害時動物救護活動地域マニュアル策定のためのガイドライン」検討小委員会を設置し,2年にわたり検討を行い,今般,報告書を作成したところである. 本報告書については,都道府県が定める「動物愛護管理推進計画」に基づいて,各自治体が獣医師会等の関係団体と協力し,地域における緊急災害時における動物救護の活動マニュアル等を策定する際の指針となるよう「災害時動物救護の地域活動マニュアル策定のガイドライン」として小冊子に取りまとめたものであり,国,自治体等の担当部署,関係団体等に配布し,今後における緊急災害時の動物救護活動の取り組みを想定した地域活動のマニュアル整備のための指針としての活用を要請した.さらに,次のとおり報道機関に対するプレスリリースを行ったので紹介する. |
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平成19年8月24日 社団法人 日本獣医師会 |
このたびの新潟県中越沖地震に際し,現地自治体をはじめ,獣医師会,動物愛護関係団体により被災動物の救護対策に当たる現地本部が組織され,各界の方々からの支援を受けて,犬,猫などの家庭動物の救護活動が実施されています. かつて,阪神・淡路大震災において,兵庫県獣医師会,神戸市獣医師会の会員獣医師は,自らも被災者としての厳しい生活環境にある中で「動物たちをほってはおけない.」と立ち上がり,被災動物の保護預りなどの動物救護活動を実施しました.そして善意に基づいて開始された活動は,多くの方々の賛同を得て,多数のボランティアの方々との連携や行政の支援の中で,展開され,国内外で高い評価を受けるとともに,以降の三宅島噴火災害,有珠山噴火災害,新潟県中越大地震,そして今回の新潟県中越沖地震における動物救護活動のモデルケースとなりました. これまでの活動を通じて,災害時の動物救護は,単に動物の命を守るのみでなく,これらの動物を心の支えにしておられるお年寄りや,家族の一員として生活している方々に精神的な安定をもたらし,健康にも好影響を与えることが理解されるようになりました.3年前の新潟県中越大地震では,愛犬と離れたくないために避難所に入らず,車内で避難生活を続けていた女性がエコノミー症候群で亡くなった事件について報道されたこと等を受け,行政当局も被災動物救護活動に深い関心を寄せ,自らが取り組んでおります. 平成17年6月,動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)の一部改正がなされ,動物の所有者責任の原則に基づく日本型の動物愛護・管理施策を推進するための基盤整備が大きく前進しました.その後,改正法に基づき環境大臣が定める「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」においては「動物の災害時対策」の重要性が明記され,都道府県が定める「動物愛護管理推進計画」において動物の救護等が適切に行うことができるような体制の整備などに取り組むこととされています. 災害時救護対策を適切に実施するためには,平常時において,各地域の社会・経済はもとより,住民の方々の生活環境を踏まえた,地域ごとの準備体制の整備が重要になります.獣医師会等の動物関係団体が行政と連携しながら,各地域の実情にあわせた活動マニュアルを策定し,さらに,いざというときにマニュアルに沿った活動ができるような体制作りをしておくべきであり,すでに一部の自治体では行政と獣医師会が契約を結びこのような体制整備が行われているところもありますが,多くの地域では未整備のままであるのが現状です. 日本獣医師会においては,獣医師の果たすべき社会的な役割について様々な角度から検討し,その一環として,「緊急災害時における動物救護活動のあり方」について検討を行ってまいりました.そして今般,都道府県が定める「動物愛護管理推進計画」に基づいて,各自治体が獣医師会等の関係団体と協力し,地域における緊急災害時における動物救護の活動マニュアル等を策定する際の指針としての「災害時動物救護の地域活動マニュアル策定のガイドライン」(全250頁)を別添(略)のとおり取りまとめ,国,自治体等の担当部署,関係団体等に配布し,今後における緊急災害時の動物救護活動の取り組みを想定した地域活動のマニュアル整備のための指針として活用願いたく要請したところです. 報道関係者各位におかれては,本ガイドライン策定・配布の趣旨をご理解のうえ,各地域における緊急災害時動物救護活動の体制整備の推進につなげるべく,本件に関する日本獣医師会の活動について広報していただきますよう,よろしくお願いします. (注)別添ガイドラインは,「災害時動物救護対策の推進について(平成19年8月24日付19日獣発第128号)」により,都道府県動物愛護管理対策主管課長をはじめ,各地方獣医師会長あて通知した. |