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会議報告

平成19年度全国獣医師会事務担当者会議の議事概要

I 日 時:
平成19年7月12日(木)13:00〜17:00

II 場 所:
ホテルフロラシオン青山 1階「ふじ」

III 出席者:
  1. 全国55都道府県市獣医師会
    担当役員・事務局職員:130名
  2. 日本獣医師会
    会  長:山根義久
    専務理事:大森伸男
    事務局職員:10名
  3. 日本動物保護管理協会
    事務局職員:4名

IV 議 事:
【説明・報告事項】
1 日本獣医師会説明事項
(1)平成19年度事業計画
(2)狂犬病予防注射事業の対応
(3)平成19年度地区獣医師大会・地区学会及び日本獣医師会年次大会(高松)
(4)地方獣医師会・構成獣医師との連携(情報ネットワーク化)
(5)平成19年度各種講習会・研修会等の開催計画
  ア 産業動物・小動物・公衆衛生講習会関係
  イ 全国競馬・畜産振興会助成事業関係
  ウ 動物用医薬品等残留基準値ポジティブリスト制導入周知啓発事業関係
(6)日本獣医師会福祉共済事業
  ア 獣医師賠償共済事業
  イ 生命共済保険事業
  ウ その他
2 日本動物保護管理協会説明事項
3 事務研修・協議事項
 新公益法人会計基準の取り組み
4 地方獣医師会・日本獣医師会照会事項(配布資料の説明)
(1)地区大会・学会の開催状況について(宮城県獣医師会)
(2)狂犬病予防注射事故に対する見舞金等交付基準について(山口県獣医師会)
(3)役員改選時の公務員(所管)の人数枠について(徳島県獣医師会)
(4)支部・部会費の扱いについて(徳島県獣医師会)
(5)夜間・休日における小動物診療の対応状況について(日本獣医師会)
(6)薬事法及び獣医療法の改正について(千葉県獣医師会)

V 概 要:
【開 会】
 日本獣医師会大森専務理事の司会で,次のとおり会議が進められた.

【開会の挨拶】
 山根会長から,[1]先の第64回通常総会において,会長に再任いただいた.この2年間様々な出来事があったが,一番の慶事は五十嵐前会長の叙勲であり,本会の名誉と考える.[2]岡山,宮崎県においては,強毒性の鳥インフルエンザが発生したが,関係者の迅速な対応により速やかに終息した.これについては,カナダ獣医師会長からも称賛いただいた.[3]獣医師需給問題については,農林水産省の検討会での報告が示されたが,今後とも,慎重な対応を要する.[4]ポジティブリスト制度については,現場で産業動物臨床獣医師の方々に尽力いただき,円滑に浸透した.[5]狂犬病予防法施行規則の一部改正に基づく犬の鑑札,予防注射済票も様式の自由化については,地方獣医師会にもパブリックコメントに対する意見提出等に尽力いただき一定の様式を堅持することができた.さらに健康局長通知に獣医師会と自治体の連携協力が明記される等進展が見られたが,今後,マイクロチップによる個体識別へ向けて推進したい.[6]獣医学教育の改善については,日本の獣医学が欧米から大きく遅れており,大学での教育環境が大変厳しい状況にあることを国会議員にも理解いただき,様々な方法を検証しながら改善に向け取り組みたい.[7]公益法人改革ついては,地方獣医師会におかれても大変な苦労を要すると思われるが,本会及び地方会が揃って公益認定法人となるよう尽力いただきたい.[8]動物診療補助専門職については,早急に検討を進め,制度化に努める必要がある.[9]来年2月に開催される香川での学会年次大会については,実行委員会を立ち上げ,充実した企画を検討中である.[10]学校飼育動物については,国民の理解を得て,全国的な展開を推進する必要がある.[11]10月7日,新宿区都民広場にて開催予定の「2007動物感謝デー in Tokyo World Veterinary Day」は,動物関係団体・企業,獣医学系大学に協力いただき,獣医師という職業を広報する機会とする予定である.本イベントを成功させることにより,社会に認知された品格ある獣医師会を目指したい.[12]本日は,新公益法人会計基準等の研修も予定されており,今後の各地方獣医師会会務の運営に反映いただきたい旨等の挨拶が行われた.

【議 事】
1 日本獣医師会説明事項
 大森専務理事から,[1]平成19年度事業計画,[2]狂犬病予防注射事業の対応(狂犬病予防対策に係る対応状況と要請活動,今後における狂犬病予防注射事業の取り組みのあり方)について説明とあわせて報告がなされた後,事務局から,[1]平成19年度地区獣医師大会・地区学会及び日本獣医師会年次大会(高松)(開催計画,地区学会の運営等の対応,日本獣医師会学会会員への入会促進等),[2]地方獣医師会・構成獣医師との連携(インターネットを用いた情報ネットワーク化の推進:会員・構成獣医師専用サイトの利用拡大,メールマガジン配信登録の促進),[3]平成19年度各種講習会・研修会等の開催計画(産業動物・小動物・公衆衛生講習会関係,全国競馬・畜産振興会助成事業関係(臨床獣医師講習会:HACCP講習会及び実地講習会/肉用牛・乳用牛編),動物用医薬品等残留基準値ポジティブリスト制導入周知啓発事業関係(ポジティブリスト制度普及・啓発地区説明会)),[4]日本獣医師会福祉共済事業(獣医師賠償共済事業,生命共済保険事業の加入状況,事業内容改定,加入推進)について概要が説明された.

2 日本動物保護管理協会説明事項
 事務局から,協会の設立,会員,役員と事務局,重点事業(動物愛護週間行事,動物児童文学賞,ペット動物のマイクロチップによる個体識別事業等)について概要が説明された.

3 事務研修・協議事項
 新公益法人会計基準の取り組み
 日本獣医師会事務局から,新会計基準の概要,新会計基準と公益法人制度の抜本的改革,新会計基準への移行準備,新会計基準移行時の留意事項について,実務対応を中心に説明された.

4 地方獣医師会・日本獣医師会照会事項(配布資料の説明)
 大森専務理事から,「照会事項」に対する地方獣医師会の回答及びその取りまとめ資料が示され,その中で千葉県獣医師会から照会のあった「薬事法及び獣医療法の改正」に関する本会の見解として,[1]動物用医薬品が,新聞折込み,インターネット等で違法に販売される現況に鑑み,法規制を依頼されたものと思われるが,麻薬,向精神薬,毒劇薬や,要指示薬を含め動物用医薬品については,薬事法等の関係法令に基づく販売業の許可を有することにより,基本的には取り扱うことが可能となる.許可を得ていない者が取り扱うことが問題になるのであって,要は無許可販売に対する取締りの徹底が重要となる.都道府県により取締りの対応に温度差があるとすれば,各地域において当局に対するさらなる取締りの徹底を要請する必要がある.[2]獣医師会員であることを飼育者が認知できるよう改正を要望されたものだが,獣医療法第17条により,技能,療法,経歴を広告することは一切禁止されてきたが,今般,動物医療にかかる民法第34条法人に会員加入している旨,すなわち獣医師会の会員であることの記載については,広告制限が解除される方向で国における検討が進んでいる.その他の広告の規制も緩和される方向にあるが,これによりいわゆる「安かろう悪かろう診療」が助長されるようなことであれば,法の趣旨が阻害されることのないよう慎重に臨むことを求めたい旨が説明された.

5 そ  の  他
 会議終了後,別室において懇親会が開催され,事務担当者一同親睦を深め合い,今後の事務事業の円滑な推進を誓って解散した.