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行政・獣医事

動物用医薬品副作用症例報告
(平成17年8月分)

薬事法第77条4の2に基づく動物用医薬品副作用症例報告を次のとおり掲載する.



医 薬 品 の 名 称
(製造(輸入)業者名)

副 作 用 発 現 動 物

副 作 用 等 発 現 の 概 要 及 び 転 帰
デュラミューン8
(ジステンパー・犬アデノウイルス(2型),犬パラインフルエンザ・犬パルボウイルス感染症・犬コロナウイルス感染症・犬レプトスピラ病混合ワクチン)
共立製薬(株)
製造番号:
101169A/1679109A

種類


年齢等

投与前の健康状態

疾患等

関連医薬品の投与歴等

投与量

投与法

投与
年月日

併用薬

副作用
発現
年月日 (投与後
時間)

副作用等の
種類

講じた処置

転帰


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10歳 健康 平成13年以降,毎年デュラミューン8を注射 1ml (1バイアル), 皮下注射 平成17年
8月27日
  平成17年 8月27日 注射前の一般臨床観察(健康診断)では特に異常が認められなかったため,9時15分に用法用量どおり本剤を注射した.注射直後は特に異常等が認められなかったためそのまま帰宅した.12時25分頃,飼い主が外出から帰宅した際,当該犬は喜んで走り寄ったが突然倒れ,すぐに来院した.病院到着時は心肺停止状態であり,心筋の細動に触れたため,心肺蘇生処置を実施するも12時45分頃に死亡した. エピネフリン投与, 心マッサージ
死亡

《企業の意見及び対応》

  • 担当獣医師: ワクチン接種後3時間経過していたが,直前の興奮によりワクチンの吸収が早まり急性アナフィラキシーを発症したものと推測している.
  • 企    業: 当該犬は飼い主の外出からの帰宅時に興奮した直後倒れて心肺停止状態に陥っていることから,心臓の不全収縮や心室細動等の不整脈を起こした疑いがある.一方,アナフィラキシーショックでは血管浮腫,抹消循環障害,気管支痙攣や喉頭浮腫による呼吸困難,消化器症状等が単発または複合して認められ,注射後30分以内の発生危険度が高いことが知られている.当該犬は比較的高齢であること,心肺停止以外にアレルギー様反応の臨床所見が認められないこと,注射後3時間が経過して急変してることから突然死であった可能性が高いと考えられる.
  • 対    応: 使用説明書には副作用発現の可能性や対処について記載し注意喚起している.今後も副作用等関連情報の収集等に努める.
 
家畜衛生週報(No. 2893)より