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短 報

Salmonella Typhimurium感染による乳用牛の成牛型
サルモネラ症の発生要因分析

山根逸郎1)†   筒井俊之1)   志村亀夫2)   濱岡隆文2)

1)(独) 農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所疫学研究チーム
(〒305-0856 つくば市観音台3-1-5)
2)(独) 農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所研究管理監
(〒305-0856 つくば市観音台3-1-5)

(2006年5月16日受付・2007年1月25日受理)

要   約

 酪農家を対象にSalmonella Typhimurium(ST)による成牛型サルモネラ症の発生に関わる飼養管理要因について,症例対照研究を応用して解析を行った.ST発生農家におけるST保菌牛割合の平均は37%(95%信頼区間;18.4〜55.8%)であった.調査した要因のうち「飼槽の表面材質がコンクリートである」,「餌槽と牛床間の仕切版がない」,「連続水槽を用いている」,「搾乳施設床面の消毒をまったく行わない」農家においてST発生のオッズ比が高かった.今後,これらの飼養管理要因をコントロールすることにより,STによる損耗を減少させることが期待される.
―キーワード:症例対照研究,乳牛,疫学調査,ネズミチフス菌,サルモネラ症.

------------------------------日獣会誌 60,645〜649(2007)

 

† 連絡責任者: 山根逸郎(動物衛生研究所疫学研究チーム)
〒305-0856 つくば市観音台3-1-5
TEL 029-838-7829 FAX 029-838-7769 
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