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陰部神経伝達麻酔による種雄牛の陰茎白膜裂傷の 外科的治療法の検討 |
1)鹿児島大学農学部(〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-24) 2)鹿児島県肉用牛改良研究所(〒899-8212 曽於市大隅町月野2200) 3)鹿児島県肝属家畜保健衛生所(〒893-0013 鹿屋市札元1-18-20) 4)鹿児島県南薩家畜保健衛生所(〒897-0302 川辺郡知覧町郡4210-18) 5)家畜改良事業団盛岡種雄牛センター(〒028-4134 盛岡市玉山区下田字柴沢301-5) |
要 約
種雄牛から人工腟法で精液を採取する際に陰茎損傷が発生することがあり,治癒期間の長期化など経済的な影響が大きい.陰茎損傷は,陰部神経伝達麻酔下で包皮腔から陰茎を露出させて陰茎を目視的に観察することにより診断できた.精液採取時に陰茎損傷を受けた7頭の黒毛和種種雄牛において,出血と結合織の増殖を伴う陰茎包皮蓋の白膜に裂傷が認められた.結合織を除去し,辺縁を切除して創口を吸収糸による単結節縫合で閉鎖した結果,処置後70日目までにすべての症例において精液採取が可能になった.これらの成績は,種雄牛から精液を採取する際に発生する陰茎損傷に対して,陰部神経伝達麻酔下での外科的処置が有効であることを示している.
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