要 約
子馬41頭を対象に,下痢およびその主要な原因である馬ロタウイルス(ERV)感染症と胃十二指腸粘膜病変との関係について調査した.対象症例中,ERV感染陽性子馬は58.5%を占めた.また下痢発症初期での胃十二指腸内視鏡検査により,子馬の胃の95%および十二指腸の33.3%に病変が認められた.胃における病変保有割合ならびに病変の程度とERV感染の有無とは関連が認められなかった.いっぽう,十二指腸の病変保有割合は,ERV感染陽性子馬(54.6%)が陰性子馬(10.0%)に比べ有意に高かった.以上の結果より,下痢子馬の多くが胃病変を有するが,少なくとも発症初期においてはERV感染の有無とは関係がないこと,またERV感染子馬は十二指腸病変を有することが多いことが示唆された.
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―キーワード:下痢,十二指腸病変,子馬,胃病変,馬ロタウイルス.
------------------------------日獣会誌 60,569〜572(2007) |
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