慢性腎不全猫の尿アルブミン測定における
人用分析機器の応用 |
桑原康人1)† 大場恵典2) 加藤晶子2) 前田貞俊2) 高須正規2)
西飯直仁2) オッカー・ソー2) 北川 均2)
1)名古屋市 開業(〒463-0002 名古屋市守山区中志段味墓前2024-1)
2)岐阜大学応用生物科学部(〒501-1193 岐阜市柳戸1-1)
|
(2006年9月5日受付・2006年11月21日受理)
要 約
尿アルブミン/クレアチニン比(UAC)を簡便に測定できる機器を用いて,慢性腎不全猫におけるUACの臨床的意義を検討した.猫アルブミン基準液の4段階倍希釈液の測定結果は,実濃度より低かったが直線性を示し,各濃度とも変動係数は5%以下であった.猫尿アルブミン濃度は補正が必要であったが(換算式y=1.28x+1.04),この装置によって測定できることが確認された.慢性腎不全猫において,この装置により算出したUACは尿タンパク質/クレアチニン比(UPC)とほぼ平行し,Log
UACとLog UPCは有意な相関関係(r=0.795,P<0.01)にあり,Log UACと血漿クレアチニン濃度は有意な相関関係になかった.慢性腎不全猫では,UACはUPCとほぼ同じ臨床的意義を有し,腎機能の一つの臨床的指標となると考えられた.
―キーワード:猫,慢性腎不全,簡易測定法,尿アルブミン/クレアチニン比,尿タンパク質/クレアチニン比.
------------------------------日獣会誌 60,505〜509(2007) |
† 連絡責任者: |
桑原康人(クワハラ動物病院)
〒463-0002 名古屋市守山区中志段味墓前2024-1
TEL
・FAX 052-736-9948 E-mail : asuna@yk.commufa.jp |
|