要 約
成績不振の酪農場(A,B,C農場)において自給粗飼料中のアフラトキシンB1(AFB1),デオキシニバレノール(DON)およびゼアラレノン(ZEN)濃度を測定とともに疾病発生状況を調査した.AおよびB農場は突然死を含む死亡率が10%以上であり,ラップサイレージのAFB1がそれぞれ30.7ppb,37.8ppbであった.繁殖成績が不振で,早産を伴う周産期病が多いC農場では稲ワラのZENが491.6ppbであった.対策としてマイコトキシン吸着剤の飼料添加により,AおよびB農場ではT細胞を主とする免疫細胞が増加し,突然死の発生はみられなくなった.C農場では繁殖成績が改善し,周産期病が減少した.よって自給粗飼料のマイコトキシン汚染は乳牛の疾病発生に関与しており,吸着剤はその影響を低減させる効果が期待できると考えられた.
―キーワード:自給粗飼料,乳牛,疾病,マイコトキシン,マイコトキシン吸着剤.
------------------------------日獣会誌 60,425〜429(2007) |
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和田賢二(山形県農業共済組合連合会置賜家畜診療所)
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