メトトレキサートの投与が奏効した炎症性腸疾患が
疑われた犬の1例 |
湯木正史 † 杉本典子 大塚宏美 棚橋咲子 加藤万由子
平野貴史 西飯直仁 鈴木清美
名古屋市 開業(〒455-0021 名古屋市港区木場町2-99) |
(2006年1月18日受付・2006年9月19日受理)
要 約
慢性的な下痢を主訴としたボストンテリア,5歳齢,雄に対し,血液検査,血液化学検査,糞便検査などとともに内視鏡検査を行った結果,炎症性腸疾患が疑われた.本症例はプレドニゾロンを中心とした免疫抑制療法には良く反応したが,投与量を漸減すると下痢が再発した.プレドニゾロンにシクロスポリンを併用したが効果は得られなかった.しかし,併用薬をシクロスポリンからメトトレキサートの筋肉内投与へ変更したところ,症状は改善されプレドニゾロンの漸減が可能となった.また,メトトレキサートを経口投与に変更した後も良好な臨床経過が得られた.
―キーワード:犬,炎症性腸疾患,メトトレキサート.
------------------------------日獣会誌 60,372〜375(2007) |
† 連絡責任者: |
湯木正史(湯木どうぶつ病院)
〒455-0021 名古屋市港区木場町2-99
TEL
052-694-1125 FAX 052-694-5011
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