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原 著

1酪農場で流行した6型Mannheimia haemolyticaによる
壊死性気管支肺炎

工藤 剛   清宮幸男   佐々木幸治   高橋真紀
田村 貴   関 慶久   昆野 勝

岩手県中央家畜保健衛生所(〒020-0173 岩手郡滝沢村滝沢字砂込390-5)

(2006年5月25日受付・2006年10月18日受理)

要   約

 2005年3月に岩手県内の1酪農場で成雌牛290頭中87頭(31%)が重篤な肺炎に罹患し,フリーストール舎で飼養されていた泌乳前期牛13頭を含む17頭が死亡した.4頭の死亡牛を病理学的および病原学的に検索した結果,肺にMannheimia haemolytica抗原を伴う壊死性気管支肺炎,間質性気腫および合胞体形成が観察され,病巣部から血清型6型の同菌が分離された.また,牛RSウイルス遺伝子が鼻腔スワブから検出された.同菌あるいは同ウイルスに対する抗体価の有意な上昇が,本病流行後あるいは流行時の同居牛で認められた.得られた成績から,集合飼養施設での飼養および牛RSウイルス感染が成雌牛におけるM. haemolyticaに起因する肺炎の集団発生に関与した可能性が示唆された.
―キーワード:牛RSウイルス,乳牛,Mannheimia haemolytica,壊死性気管支肺炎,血清型6.

------------------------------日獣会誌 60,354〜358(2007)

 

† 連絡責任者: 工藤 剛(岩手県中央家畜保健衛生所)
〒020-0173 岩手郡滝沢村滝沢字砂込390-5
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