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牛伝染性鼻気管炎罹患牛の中枢神経系における病変と 牛ヘルペスウイルス1型抗原の分布 |
1)岩手県中央家畜保健衛生所(〒020-0173 岩手郡滝沢村滝沢字砂込390-5) 2)(独) 農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所(〒305-0856 つくば市観音台3-1-5) |
要 約
重篤な呼吸器病に罹患した1酪農場の育成雌牛3頭を病理学的および病原学的に検索した.線維素壊死性炎が鼻腔から肺に至る広範な呼吸器系粘膜に,非化膿性炎が三叉神経節,橋および延髄に観察され,好酸性核内封入体が喉頭腺にみられた.病巣内には牛ヘルペスウイルス1型(BHV-1)抗原およびヘルペスウイルス粒子が存在し,BHV-1が鼻腔スワブから分離された.脳幹部の病変は三叉神経支配核に限局していた.得られた結果から,BHV-1感染が呼吸器系および中枢神経系病変の形成に関与し,同ウイルスが三叉神経路を主要経路として脳幹部に浸入したことが示唆された.
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