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豚の肝白斑病変における腸内常在菌の分離と 免疫組織化学的検出 |
村上覚史1)† 東 量三2) 横山栄二3) 近江弘明1)
大場剛実4) 鈴木伸一2) 高搭サ平2)
1)東京農業大学農学部(〒243-0034 厚木市船子1737) 2)東京農業大学短期大学部(〒156-8502 世田谷区桜ヶ丘1-1-1) 3)千葉県衛生研究所(〒260-8715 千葉市中央区仁戸名町666-2) 4)富山県食肉検査所(〒934-0035 射水市新堀28-4) |
要 約
肝白斑症の豚5頭,肝臓病変の認められない豚(無病変群)3頭,豚回虫卵投与豚5頭および投与対照豚3頭の肝臓について,細菌分離および抗Escherichia
coliポリクローナル抗体を用いた免疫組織化学的検査を試みた.その結果,すべての肝臓から数種の腸内常在菌が分離された.統計学的な比較では,肝白斑症の肝臓からの分離細菌数は無病変群の肝臓より有意に多く,さらに肝白斑症の豚5頭および投与豚1頭からE.
coliが分離された.肝臓の免疫組織化学的検査では抗原陽性の桿菌が肝白斑症の豚2頭および投与豚1頭の類洞,細胆管およびグリソン鞘で検出された.肝白斑症における肝臓からの細菌分離数の多い理由に豚回虫の肝臓移行との関連が示唆されたが,陽性抗原分布域は白斑病変とは無関係であった.
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