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「狂犬病臨床研究会」の設立について
佐藤 克†(狂犬病臨床研究会会長・東京都獣医師会会員)
1 は じ め に 狂犬病を臨床的に捉え,わが国への侵入に備え,早期に発見制圧し,人と動物の公衆衛生及び福祉の向上に寄与することを目的に「狂犬病臨床研究会」が平成18年12月3日に設立された.本会の概要を紹介するとともに入会案内をさせていただきたい. |
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2 設立の趣旨及び活動について 平成18年11月16日に京都府で同22日には神奈川県において,不幸にも人の輸入狂犬病症例が相次いで発生した.わが国での発生は昭和45年以来,36年ぶりのことだが,狂犬病の恐ろしさを改めて認識させられた. 狂犬病予防法が施行され,関係者の尽力により動物の狂犬病がわが国から姿を消してすでに50年の歳月が流れている.当時活躍された方々はほとんど現役から退かれるなど,現在わが国には狂犬病を経験した医師や獣医師は本当に少なくなってしまった.このままでは,狂犬病を臨床診断できる医師や獣医師がいなくなってしまうことが危惧される. 一方,狂犬病はアジアをはじめ,世界中で発生しており,いつわが国に侵入しても不思議ではない状況である.しかし,わが国の現状をみると万が一狂犬病が侵入した場合,狂犬病の診断ができずに初期の対応が遅れることが強く懸念される.こうした状況を解決するためには,医師や獣医師はもとより一般の方々にも狂犬病に関心を持っていただくことが重要となる.そして我々獣医師には,どのような症例に遭遇したら狂犬病を疑うべきなのか明確な基準が求められている. そこで,「狂犬病臨床研究会」を組織して,万が一の場合,狂犬病を早期に発見制圧できるよう,専門家における臨床診断や一般の方々に対する普段の狂犬病予防意識の啓発に取り組みたいと考えている. 本会は,平成18年12月3日に東京都板橋区で行われた設立総会において,会則,役員の承認,及び平成18年度事業案・予算案が議決され,正式に発足した. |
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3 事業について 本会は上記の目的遂行のため,以下の事業を計画している. (1)狂犬病発生国にある関係組織などと共同して狂犬病罹患犬の映像を撮影し,犬狂犬病の臨床診断に資する. (2)狂犬病発生国にある関係組織などと共同して狂犬病罹患者の映像を撮影し,人狂犬病の臨床診断に資する. (3)狂犬病臨床診断基準の検討をする. (4)わが国における狂犬病臨床診断に基づくサーベイランスを視野に入れた基礎的研究をする. (5)狂犬病ワクチン抗体価の推移について検証する. (6)狂犬病ワクチンの副反応発生状況について調査する. (7)わが国における狂犬病の歴史について考察をする. (8)啓発活動 [1] 講演会 [2] 狂犬病予防意識調査(犬飼育者・犬非飼育者) [3] 学会,雑誌などでの報告 (9)その他,ホームページの運営,ニュースレターの刊行など |
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4 会員及び年会費 以下の年会費の支払いを以って会員とする.入会費は不用. (1)一般会員:3,000円(本会の趣旨に賛同した個人) (2)勤務会員:1,000円(本会の趣旨に賛同した組織に属する個人) (3)学生会員:500円(本会の趣旨に賛同した学生) (4)賛助会員:一口20,000円から(本会の趣旨に賛同した団体または個人) |
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5 入会について 本研究会設立の趣旨に賛同いただける,医師や獣医師はもとより,行政担当者や研究者の方々,さらに犬の飼い主の方など広く狂犬病に関心を持たれる方々を募集している.是非ご入会いただきたい. なお,現在までに約90名の方が会員として登録されている. |
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〈事 務 局〉 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-5 KSビル1F (株) エトレ内 上村朋子 TEL 03-3238-6233 FAX 03-3238-6238 ホームページ:http://www.rabies.jp E-mail : info@rabies.jp |
† 連絡責任者: | 佐藤 克(佐藤獣医科) 〒175-0084 板橋区四葉1-25-4 TEL 03-3979-1591 FAX 03-3979-1543 E-mail : m.sato@satovc.jp |