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リアルタイムPCR法を用いた関節炎型豚丹毒保留豚の 関節液からの豚丹毒菌の検出 |
赤瀬 悟1) 宮尾陽子2)† 宗村佳子1) 依田昌樹1)
鈴木達夫2) 今田由美子3)
1)東京都芝浦食肉衛生検査所(〒108-0075 港区港南2-7-19) 2)東京都市場衛生検査所(〒104-0045 中央区築地5-2-1) 3)(独) 農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究所(〒305-0856 つくば市観音台3-1-5) |
要 約
関節炎型豚丹毒保留豚の膝関節液からQIAamp DNA Mini Kit(Qiagen)を用いてDNAを抽出し,TaqManプローブ法を用いたリアルタイムPCR法(real-time PCR法:rPCR法)により豚丹毒菌(Erysipelothrix 属菌)の遺伝子を特異的に検出する方法を検討した.その結果,4時間で豚丹毒菌とそれ以外の原因による関節炎の類症鑑別が可能になった.rPCR法の定量検査では関節液中の豚丹毒菌の菌数は大半が100cfu/ml以下と推測された.関節液の細菌培養,rPCR法および表層防御抗原(surface
protective antigen : SpaA)-ELISA(enzyme-linked immunosorbent assay : ELISA)抗体価を組み合せることにより,関節炎型豚丹毒の感染状態を推察する重要な指標となると考えられた.
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