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原 著

BSEスクリーニング検査における再検査の発生要因の
分析と偽反応の防止対策

今村安孝   前渕恭子   松本一俊   上村一弘

熊本県食肉衛生検査所(〒861-1344 菊池市七城町蘇崎1341)

(2006年3月22日受付・2006年11月1日受理)

要   約

 2001年から5年間,熊本県では2つの検査キットを使用し,牛120,428頭のBSEスクリーニング検査を実施した.その結果166頭の再検査を実施,1頭が感染牛,残りは再検査で正常値を示し偽反応であった.プラテリアの場合,偽反応発生率は0.11%(117/109,149頭)であり,プレートにおけるOD値のバラツキが大きいときにみられた.また,検体を高温に曝すとOD値が上昇したことから,偽反応の防止には,延髄乳剤の高温暴露を避けることが重要と考えられた.いっぽう,エンファーの偽反応発生率は,0.42%(47/11,279頭)であり,複数のプレートを使用する検査所で多発し,二重測定の一方のLu値が高くなった.しかし,この偽反応はプレート洗浄工程の改良や基質液の酸化防止措置等により改善された.以上の成果は,円滑なBSEスクリーニング検査に役立つものと思われた.
―キーワード:BSE,偽反応,再検査,スクリーニング検査.

------------------------------日獣会誌 60,153〜157(2007)

 

† 連絡責任者: 今村安孝(熊本県八代地域振興局衛生環境課)
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