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原 著

心エコー検査を用いた猫の肥大型心筋症と
正常心の拡張機能の比較

上野玄士1)†   高橋 健2)   土井口 修3)   阿久沢正夫4)

1)福岡県 開業(〒818-0036 筑紫野市光が丘3-22-1)
2)福岡県 開業(〒816-0851 春日市昇町6-31)
3)熊本県 開業(〒862-0926 熊本市保田窪2-11-7)
4)鹿児島大学農学部(〒890-0065 鹿児島市郡元1-21-24)

(2005年4月4日受付・2006年8月1日受理)

要   約

 各種検査で肥大型心筋症(HCM)と診断された猫13例と,健康な猫10例を用い左心室の拡張機能の評価を左室流入血流波形と等容性拡張時間で比較検討した.HCM群は正常群と比較して,パルスドプラ法(PD)を用いた左室流入血流波形において拡張早期波(E波),心房収縮期波(A波),E波とA波の比(E/A)に,また等容性拡張時間(IVRT)において拡張機能障害を示唆する有意な変化がみられ,HCMの猫では無症候性であってもすでに左室拡張機能は障害されていることが示唆された.
―キーワード:左室拡張機能,心エコー検査,肥大型心筋症,等容性拡張時間,左室流入血流波形.

------------------------------日獣会誌 60,144〜147(2007)

 

† 連絡責任者: 上野玄士(光が丘動物病院)
〒818-0036 筑紫野市光が丘3-22-1
TEL 092-926-3319 FAX 092-926-4554 
E-mail : hikariah@lime.ocn.ne.jp