中市統三1)† 宇根 智1) 田村慎司2) 板本和仁1) 内田和幸3)
森本将弘1) 林 俊春1) 田浦保穂1)
1)山口大学農学部(〒753-8515 山口市大字吉田1677-1)
2)広島県 開業(〒731-5132 広島市佐伯区吉見園7-16)
3)宮崎大学農学部(〒889-2192 宮崎市学園木花台西1-1) |
(2006年4月3日受付・2006年7月26日受理)
要 約
犬の頭蓋内髄膜腫16症例の治療成績を検討した.症例の平均年齢は9歳3カ月齢,性別は雄:雌=7:9,ゴールデン・レトリーバーが6例,シェトランド・シープドッグが3例含まれていた.てんかん発作,歩行異常,無目的歩行などの神経学的異常で来院し,MRIで頭蓋内病変を確認した後に,16例中11例に対しては外科的に腫瘍組織を摘出し,その中の9例には術後放射線療法を行った.手術不可能であった5例中2例に対しては放射線単独治療を実施し,残りの3例には支持療法のみを行った.これらの症例は手術(11例)あるいは病理解剖(5例)で得られた組織の病理組織学的検査で,髄膜腫と診断された.症例の多くは治療により臨床症状が改善した.外科手術を行った11例の生存期間の中央値は381日(平均471日,13〜1408日)であった.
―キーワード:犬,髄膜腫,放射線治療,外科手術.
------------------------------日獣会誌 60,139〜143(2007) |
† 連絡責任者: |
中市統三(山口大学農学部獣医学科臨床獣医学講座)
〒753-8515 山口市大字吉田1677-1
TEL
・FAX 083-933-5898
E-mail : nakaichi@yamaguchi-u.ac.jp |
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