要 約
オウム嘴羽病(PBFD)の診断において,セキセイインコでは,従来のPCR法で検出できない変異型ウイルスの感染が高率に存在することが明らかとなり,これらの変異株を広く検出できる新しいOgawaらのPCR法の有用性を確認した.これを受けて,全国58カ所の動物病院への来院鳥および12カ所のペットショップでの飼育鳥1,070羽について,OgawaらのPCR法によるPBFDの疫学調査を実施した.その結果,一般家庭での飼育鳥770羽の陽性率は19.2%であったのに対し,ペットショップでの飼育鳥300羽の陽性率は16.7%であり,全体では18.5%であった.PBFDウイルスは全国的に広く浸潤しており,陽性率は鳥種に依存していた.セキセイインコ(40.1%),大型白色オウム類(24.2%)およびヨウム(21.2%)では,高い陽性率を示した.また,鳥種によって臨床症状の発現様式が異なることも明らかとなった.
―キーワード:疫学調査,変異型ウイルス,PCR法,PBFD,オウム・インコ類.
------------------------------日獣会誌 60,61〜65(2007) |
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