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乳牛の血清ビオチン濃度と蹄病発生状況に及ぼす ビオチン含有ブロック剤給与の効果 |
1)日本全薬工業(株) 中央研究所(〒963-0196 郡山市安積町笹川字平の上1-1) 2)福島県農業共済組合連合会県南家畜診療所(〒963-8025 郡山市桑野2-15-7) 3)秋田県農業共済組合連合会県北家畜診療所(〒018-3454 北秋田市鷹巣町脇神字高村岱94-1) 4)宮城県農業共済組合連合会家畜診療研修所(〒981-3602 黒川郡大衡村字平林36) 5)山形県農業共済組合連合会家畜診療研修所(〒990-2171 山形市大字七浦字北川原286-1) 6)宮城県農業共済組合連合会県南家畜診療センター(〒989-0731 白石市福岡深谷字桜丘前10) |
要 約
乳牛217頭を用いてビオチン含有ブロック剤(1kg中にビオチンを300mg含有するHBFBまたは100mg含有するLBFB)を1年間給与し,血清ビオチン濃度と蹄病発生状況を検討した.血清ビオチン濃度(pg/ml)は,HBFB群で給与開始前の589±432から1年後の1,101±1,058に,LBFB群で473±250から667±554に有意(それぞれ
P<0.001,P<0.05)に上昇した.HBFB群(121頭)の蹄病牛頭数は,給与開始前の62頭(51.2%)から1年後の25頭(20.7%)に有意(P<0.001)に減少した.また,HBFB群における1年後の新たな蹄病発生は59頭中8頭(13.6%)とHBFB非給与群の54頭中17頭(31.5%)と比べて有意(P<0.05)に少なかった.その結果,HBFBの給与により,血清ビオチン濃度は上昇し,蹄病牛頭数の減少,蹄病の発生予防に有効であることが確認された.
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