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会議報告

 

〈社団法人日本獣医学会 西原真杉常任理事〉
 日本獣医学会の常任理事を務めております西原と申します.本日は,本来ですと佐々木理事長がご挨拶すべきところではありますが,本日海外出張をいたしておりますので,私より一言ご挨拶申し上げさせていただきます.
 本日は,日本獣医師会第63回通常総会の開催,誠におめでとうございます.さて,まず冒頭に山根会長もお話しされていましたが,本年3月に日本獣医師会,日本獣医学会の連携大会がつくばで開催され,大変盛会となり,成功裏に終えることができましたことに対し,厚く御礼を申し上げます.
 獣医師,あるいは獣医学に対する社会の要請は近年ますます多岐にわたり,我々の生活や生命に直接かかわる問題として重要さを増してきております.
 このような状況の中では,獣医療にかかわるより多くの関係者が情報を共有し,問題の解決に向けて協力して取り組むことが極めて重要であると考えられます.このような考えから,日本獣医師会と日本獣医学会の連携については,両会の諸先輩が長年にわたりその実現に向けてご努力をされてこられました.そして近年,まず各県でありますとか,あるいは地区の会員の皆様のご協力をいただいて,青森,北海道,そして鹿児島におきまして獣医学会の秋の学術集会を,獣医師会と連携して開催させていただきました.そして本年3月には,獣医師会三学会の年次大会と,獣医学会の春の学術集会の連携大会を開催することができました.
 この連携大会では,主催者の先生方のご努力により,まさに連携大会でなくては実現できないような今日的なテーマのシンポジウム等が多数企画され,大変意義深いものでした.さらには,記念式典には秋篠宮殿下にもご臨席を賜り,野鶏や動物の家畜化に関する非常に素晴らしいご講演もございました.殿下はコンパニオンアニマルのことを家庭動物とお呼びになられておられたと記憶しておりますが,家畜や家禽,それからこの家庭動物も含めまして,動物にかかわる諸問題について大変深いご造詣をお持ちでいらっしゃることに,私ども深い感銘を受けた次第です.
 このような連携大会は,獣医師の活動や重要性がより社会に認知されるよい契機になるものとも思われます.両会の連携が今後も全国的な規模で継続しさらに深まるよう,ご理解とご協力を心からお願い申し上げる次第です.
 日本獣医師会が重責を果たされて今後ますますご発展されることを祈念いたしますとともに,日本獣医師会と日本獣医学会が今後も連携して,車の両輪となって社会に貢献することができますよう祈念いたしまして,ご挨拶に代えさせていただければと思います.本日は誠におめでとうございました.
【来賓の紹介】
 大森専務理事から来賓の紹介が行われた.
【日本獣医師会会長感謝状贈呈】
 日本獣医師会会長感謝状が以下のとおり贈呈された.
    • 平成17年度日本獣医師会学会年次大会(日本獣医師会・日本獣医学会連携大会)の開催に際し,開催地地方獣医師会として多大の協力・支援を行い,獣医学術の振興・普及に寄与した者
      社団法人 茨城県獣医師会
    • 平成17年度において,獣医師会活動の基盤となる会員加入の推進等の組織強化に顕著な実績を挙げた者
        社団法人 大阪市獣医師会
        社団法人 京都市獣医師会
 
【獣医師会職員永年勤続表彰】
 獣医師会の永年勤続職員に対して次のとおり表彰が行われた.
  • 30年勤続表彰
    金子芳子(神奈川県獣医師会)
    鳥飼智子(鳥取県獣医師会)
    高橋幸雄(日本獣医師会)

【議長 ・ 副議長選出】
 会長が仮議長となり,「仮議長一任」の声を受け,次の2名を議長・副議長に選出した.
     議 長 水谷 渉(神奈川県獣医師会長)
     副議長 勝見 晟(山形県獣医師会長)
【議事録署名人の選任】
 議事録署名人については,議長一任の声を受け,議長が以下の2名を選任した.
     谷 達雄(滋賀県獣医師会長)
     藤井 晋(岡山県獣医師会長)
【議  事】
 議長により次のとおり議案審議が進められた.
 第1号議案:平成17年度事務事業及び決算報告の件
 大森専務理事から平成17年度事務事業報告については,重点事項のみ,決算報告については予算額と決算額の差異の大きな項目のみ,説明された(別記1.平成17年度決算報告書).その中で,玉井代表監事からの決算監査報告が大要次のとおり行われた.
 〔決算監査報告〕
 平成17年度における日本獣医師会の事務事業の実施状況及び会計状況について,会長から事務事業の報告並びに収支計算書及び財産目録等の提出を受け,一般会計及び特別会計についてそれぞれ諸帳簿,証拠書類等に基づき監査した結果,いずれも定款及びその他の規程に従い,適正に処理されていたことをご報告申し上げる.
質疑として,[1]山根会長に対し,新執行部として1年を経て,今後の事業の展望を聞きたい,[2]地方獣医師会によっては,会費収入の50%以上を日本獣医師会の会費として納めている他,開業及び勤務会員等の会費の比率等も問題となっている.今後,会費のあり方をどのように考えるのか,[3]日獣雑誌刊行の支出が一般会計を圧迫しているのではないか.雑誌刊行のあり方をどのように考えるのか, 質疑があり,これに対し,[1]については,特に職域別部会制による個別課題への取組みが期待され,現在,各部会の委員会での検討している諸々の課題の意見集約が進んでおり,その報告をもって行政対応等してまいりたい,[2]及び[3]については,まず,刊行費も含めて,これまでと同様,経費の節減に努めるが,会費の値上げが必要な時期が来た際は,会員,構成獣医師のご意見を十分拝聴し,慎重に対応を検討したい旨が山根会長から回答された後,本議案は原案どおり異議なく可決承認された.
 第2号議案:平成18年度事業計画(案)及び収支予算(案)の件
 第3号議案:平成18年度会費及び賛助会費の件
 第2号議案,第3号議案は関連議案として一括上程され,大森専務理事から平成18年度事業計画(案)(別記2.平成18年度事業計画)及び収支予算(案)(別記3.収支予算書)について昨年度と大きく異なる事項,科目の要点について説明が行われた後,引き続き,平成18年度会費及び賛助会費について説明がなされた.その中で,平成18年度学会年次大会の共催団体として「さいたま大会」の開催運営を受託した地元埼玉県獣医師会
給エ会長から開催への支援,協力が依頼された.
質疑等として,[1]塩酸ケタミンの麻薬指定について,来年1月からの施行に際し,今後の対応をお聞かせ願いたい旨,質疑があり,山根会長から,世界の趨勢からこれは受け入れざるを得ないが,施行後も使用するためには,施用者免許を取得し,保管,管理の徹底に努めること,また,代替法に関する情報提供を獣医麻酔外科学会へ依頼しているので,併せてこれらの広報に努める旨回答され,[2]大学教育の整備・充実についての推進が要望された後,本議案は原案どおり異議なく可決承認された.
 第4号議案:役員の補欠選任の件
 岡本選挙管理委員長から,職域理事(畜産・家畜衛生)の辞任に伴い,関係する推薦母体から候補者1名が推薦のされた旨説明された後,候補者 戸谷孝治氏を同職域理事として選任することについて承認を求め,本議案は異議なく承認された.
【議長・副議長の退任挨拶】
 議長から円滑に議事が終了したことへのお礼を旨とする退任の挨拶が行われた.
【閉   会】
 大森専務理事から第63回通常総会の閉会が告げられた.

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