会報タイトル画像


紹 介

五十嵐幸男顧問「旭日重光章」を受章

五十嵐幸男顧問夫妻
五十嵐幸男顧問夫妻
  本会前会長の五十嵐幸男顧問においては,平成18年春の叙勲において旭日重光章授章の栄誉に浴された.
 長年にわたる一産業動物臨床獣医師としての功労は元より,BSE発生時,いち早く緊急提言を行うとともに,地方獣医師会協力の下,全国各地でシンポジウムを開催し,社会に対し学術的な知識をもって適正な情報を普及,啓発する一方,動物の愛護及び管理に関する法律の改正においては,関係省庁等へ積極的な情報の提供等に努め,動物愛護施策の社会に対する普及,推進,定着に努める等,全国の主要公益団体である日本獣医師会の会長としての特別功績が認められた.

  本章の伝達式は,5月9日,皇居「松風の間」において,旭日重光章(8名)及び瑞宝重光章(27名)の受章者の出席により挙行された.
旭日重光章の勲章と勲記
旭日重光章の勲章と勲記
  伝達式では,小泉純一郎内閣総理大臣から勲記が授与され,引き続き,豊明殿において天皇陛下に拝謁,受章者の代表として五十嵐顧問が「このたびは勲章を授与せられまして私共の栄誉これに過ぐるものはございません.私共はこの栄誉を体しそれぞれの分野において一層精進を重ねる決意でございます.ここに一同を代表し謹んで御礼申し上げます.」とお礼の挨拶を述べられた.天皇陛下からは,今後とも,社会に貢献してほしい旨お言葉をいただいた.五十嵐顧問からは,至極の感激に浴するとともに,青春時代を盡忠報国の至誠に身を尽く
した者が,このような場で謝辞を述べる機会を得たこ
とは感慨深く,緊張をもって大役を終えた旨の感慨を伺った.
 6月27日には,明治記念館「富士の間」において,叙勲を祝し,「五十嵐幸男先生旭日重光章受章祝賀会」が,山根義久会長,藏内勇夫・中川秀樹両副会長及び五十嵐顧問の地元,埼玉県獣医師会給エ三男会長を世話人として,関係国会議員,関係省庁等来賓の他,地方獣医師会長をはじめ,友人知人,獣医学系大学,関係団体,関係企業等,全国から218名の出席により盛大に執り行われた.
 祝賀会は,大森専務理事の司会により進行され,まず世話人の藏内副会長が開会を宣せられた後,山根会長が世話人代表挨拶として,「長年,獣医事に携われ,併せて国,政府の要職を歴任した,その半生は日本の獣医界のために傾注されたと言え,先生のご叙勲は,獣医界にとっての慶事でもある.先生は,会うごとにご子息と同年齢であるにもかわらず,逆に私の健康を気遣い,励ましていただいているが,今後とも,ご壮健で,本会顧問としても叱咤,激励を依頼したい」と述べられ,次にご夫妻へ花束の贈呈が行われた.続いて,当日ご出席の来賓からの祝辞として,谷津義男衆議院議員(獣医師問題議員連盟会長)から,「熊谷市は,私の地元,群馬県と隣り合わせということで日頃よりお世話になる機会も多かったが,先生ご自身の使命感により,これまで国家のため,獣医師会のため尽くされ,特に会長時代は,BSE,鳥インフルエンザ等の対応に尽力いただいた.ご高齢に関わらず,何処へでも脚を運ばれておられるが,今後とも,ご健康に留意してご活躍願いたい」,石原 葵農林水産事務次官から,「近年,獣医師の方々の業績範囲は大きく広がり,家畜衛生分野に留まらず,食品安全分野,公衆衛生分野,小動物獣医療分野,動物愛護や教育活動など多岐に渡っている状況であり,今般の叙勲は,先生の活躍が評価されるのと同時に獣医師方々の活躍されている各々の分野の重要性を物語るもので,獣医師の方々にとっては励みと考える.また,農林水産省は,食の安定供給,国土や自然環境の保全,文化の伝承等,重要な役割を担っているが,農政の推進には,関係者の方々の理解,協力が必要不可欠であり,先生におかれても今後とも獣医療を通じ,わが国農林水産業の発展に寄与いただきたい」旨が,富岡 清 埼玉県熊谷市長から,「熊谷市の地元が誇る五十嵐先生の叙勲祝賀会の開催いただき,熊谷市民を代表してお礼申し上げる.また,内助の功で先生を支えられた奥様におかれては,地元熊谷婦人会連盟の理事長,JAの女性部会会長を務めていただき,夫婦揃ってご尽力いただいている.今後とも,熊谷市の先達としてご活躍ご指導いただきたい」,佐藤 守岩手県東磐井郡藤沢町長から,「藤沢町は先生の生誕の地,みちのく北上山系,農業の町であるが,遡れば当地は伊達藩二万石の領地で,その城内家老が五十嵐家であり,また,ご尊父は町長であった.このような縁のある先生の叙勲により,町民に誇りと喜びを与えていただいたことに対し,町民を代表してお礼申し上げる.」と各々述べられた後,来賓紹介,祝電披露に続き,五十嵐顧問から謝辞として,「このたびは,このような会を催していただき感謝に堪えない.今回の叙勲は,特に近年の口蹄疫,BSE,鳥インフルエンザ等の発生に対して,獣医師問題議員連盟の先生方からご指導いただき,全国獣医師会の誠意を持った対応とともに,個々の獣医師方々が業務に真摯に取り組みいただいた結果の賜物であり,この時,私が会長職にあったため拝受したものだが,これは獣医師が社会から認めていただいた証しであり,すべての獣医師の功績によるものと認識いただきたい.この場をお借りして,これまで皆様のご指導ご支援に重ねてお礼申し上げる.」と述べられた.そして,北村直人顧問の「おめでとうございます」の発声による乾杯で祝宴に移り,奥様のご友人である馬 高彦氏により中国の代表的な民族楽器である「二胡」が演奏のされる中,五十嵐顧問が会場の輪に入り,参加者と歓談された.世話人の中川副会長が中締め挨拶をされた後,同じく世話人の給エ埼玉県獣医師会長の万歳三唱をもって盛会のうちに閉会した.
 五十嵐幸男顧問(前会長)の極めて重い名誉ある旭日重光章の叙勲は,まさに獣医界の栄誉であり,我々獣医師一人一人が,五十嵐顧問の足跡を忘れることなく,真摯かつ誠実に個々の業務に取り組み,社会的責務を果たすことこそ,このたびの叙勲の価値,さらには獣医師の評価を高めることに他ならない.

代表世話人 山根会長による挨拶(祝賀会)
 代表世話人 山根会長による挨拶(祝賀会) 
花束を受け取った五十嵐顧問夫妻(祝賀会)
 花束を受け取った五十嵐顧問夫妻(祝賀会)