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カリフラワー状骨様物質を含んだ傍前立腺嚢胞の犬の1症例 |
深田恒夫† 吉川陽人 渡邊一弘 山添和明 酒井洋樹
柳井徳麿 柵木利昭 工藤忠明
岐阜大学応用生物科学部(〒501-1193 岐阜市柳戸1-1) |
9歳の雑種犬(未去勢雄)が血尿を主訴として岐阜大学動物病院に来院した.X線検査で腹部に大きな腫瘤がみられ,その部位から考えて,拡張した膀胱であることが疑われたが,逆行性尿路造影により膀胱がその大きな腫瘤の背側に別個に存在することが判明した.超音波検査を行ったところ,腫瘤の内部に大量の液体が貯留しており,また高エコー性の辺縁不整な固形物の存在が確認された.開腹手術により腫瘤を切除し,傍前立腺嚢胞と判断した.嚢胞内には高エコー性を示したカリフラワー状の骨様物質が存在した.病理組織学検査で,傍前立腺嚢胞と確認されたが,嚢胞上皮が脱落していたのでこの嚢胞の由来は不明であった.肥大していた前立腺切除も行った.尿の不随意排出を示しているが,犬は現在も元気である.
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