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短 報

右―左短絡の先天性心疾患による二次性多血症に対し
ハイドロキシウレアを使用した犬の2例

西飯直仁1)   鈴木清美1)   杉本典子1)   大塚宏美1)
高橋邦昭1)   金本 勇2)   湯木正史1)†

1)名古屋市 開業(〒455-0021 名古屋市港区木場町2-99)
2)名古屋市 開業(〒464-0003 名古屋市千種区新西1-1-5)

(2005年6月7日受付・2006年1月4日受理)

要   約

 ファロー四徴症,および右―左短絡の心房中隔欠損と肺動脈狭窄の複合心奇形の2頭の犬において,抗悪性腫瘍剤であるハイドロキシウレア(HU)を使用して二次性多血症を治療した.投与により血便および歩様のふらつきなどの臨床症状は改善し,臨床症状およびヘマトクリット値のコントロールが可能であった.2例で軽度の脱毛,1例で一過性の好中球減少がみられたが,投与を中止するような重度の血球減少あるいは消化器症状は観察されなかった.瀉血治療による管理が困難な二次性多血症の犬において,HU投与は瀉血治療の代替法または補助的治療法となる可能性がある.
―キーワード:犬,ハイドロキシウレア,二次性多血症.
------------------------------日獣会誌 59,336〜338(2006)

 

† 連絡責任者: 湯木正史(湯木どうぶつ病院)
〒455-0021 名古屋市港区木場町2-99
TEL 052-694-1125 FAX 052-694-5011