【別紙2】 |
17日獣発第200号
平成18年1月4日 |
厚生労働省医薬食品局長
福井 和夫 様 |
社団法人 日本獣医師会
会 長 山根義久 |
ケタミンの麻薬指定について(要請) |
日頃より,本会事業運営をはじめ動物医療の提供に関しご指導・ご支援を賜り厚く御礼申し上げます.
さて,今回,貴省におかれては,ケタミンの麻薬指定の予定を公表したところでありますが,麻薬の指定は,対象物質の薬理作用等からみて依存性や毒性が極めて強く濫用による健康被害の重大性とともに,指定による社会的影響を総合的に勘案の上,行われるべきものと考えます.
今回,指定予定とされたケタミンは,当該成分を含有する製剤が医薬品として古くから人及び動物医療において汎用されていること等を踏まえるとき,果たして麻薬指定までして規制の強化を図る必然性があるのかパブリックコメントにおいて示された指定理由のみにては判然としないところであります.
動物医療は診療対象範囲が多種多様の動物種に及びます.また,ケタミン製剤の適用は鎮痛目的の麻酔効果のほか,逸走動物等の不動化措置等幅広いものがあります.更に,その効果が筋肉注射により発現し得ることもありケタミン製剤は動物医療においては,いわば常備医薬品としての重要製剤であることに留意する必要があります.しかしながら,ケタミン製剤の動物医療上の位置づけについて配慮を払うことなく貴省の依存性薬物検討会がケタミンの麻薬指定の方向を決定されたことは遺憾に思うところであります.
つきましては,今後,ケタミンの麻薬指定を行うのであれば,指定による動物医療の臨床現場の混乱回避とともに,動物医療の円滑な推進を確保するため,下記事項について適切な措置を講じられたく要請します. |
記 |
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- ケタミン製剤が古くから医薬品として汎用されている事情を踏まえ,麻薬指定の理由の一層の明確化を図るとともに,これまでと同様に関係情報の本会に対する逐次の提供を行われたいこと.
- 麻薬指定の公示から施行までは,従前の例にこだわることなく,公示後1年間を目途に必要かつ十分な移行期間を設けられたいこと.
- 麻薬指定後においてもケタミン製剤については,動物医療の需要に即した安定供給が可能となるよう製剤メーカー等を指導願いたいこと.
- 獣医師に対する麻薬及び向精神薬取締法第3条の規定に基づく免許手続きについては,円滑な事務執行について都道府県当局を指導されたいこと.
- 麻薬施用者の許可を受けた獣医師の施用に係る麻薬及び向精神薬取締法第27条の適用については,ケタミン製剤の動物医療における適用の現状に即した処方・投与が行い得るよう措置されたいこと.
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17日獣発第200号
平成18年1月4日 |
農林水産省消費・安全局長
中川 坦 様 |
社団法人 日本獣医師会
会 長 山根義久 |
ケタミンの麻薬指定について(要請) |
日頃より,本会事業運営をはじめ動物医療の提供に関しご指導・ご支援を賜り厚く御礼申し上げます.
さて,今回,厚生労働省においてケタミンの麻薬指定の予定を公表したことに伴い,本会から厚生労働省及びケタミン製剤の供給を担う関係メーカーに対し別紙(略)により要請したところであります.
つきましては,貴省におかれては,この旨ご了知の上,ケタミンの麻薬指定に伴い,動物医療の適正かつ円滑な提供に支障が生じることのないよう,ケタミン製剤の安定供給とともに,獣医師法及び獣医療法をはじめとする関係法令の適用について,関係メーカー及び都道府県当局に対するご指導の程,よろしく対応願いたく要請します. |
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17日獣発第200号
平成18年1月4日 |
別 記 宛 |
社団法人 日本獣医師会
会 長 山根義久 |
ケタミンの麻薬指定について(要請) |
日頃より,本会事業運営をはじめ動物医療の提供体制の確保についてご尽力・ご支援を賜り厚く御礼申し上げます.
さて,今回,厚生労働省においては,ケタミンを麻薬指定する予定である旨を公表したところであります.
本件は,ケタミン製剤の動物医療における位置づけを考えるとき,動物医療の円滑な提供に少なからぬ影響が懸念されるところであり,本会から厚生労働省及び農林水産省に対し別紙(略)により要請したところであります.
貴社におかれては,ケタミン製剤の動物医療に対する供給について多大の貢献を果たしておられるところでありますが,ケタミンの麻薬指定後においても同製剤の供給を担う製薬企業としての責任を全うされたく安定供給について特段のご尽力を願いたく,よろしくご対応の程お願いします. |
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