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セラメクチンによるイヌセンコウヒゼンダニ 感染症例の治療 |
村岡 登1)† 伊藤直之2) 青木美樹子3) 板垣 匡3)
1)秋田県 開業(〒013-0065 横手市猪岡字長瀞11) 2)青森県 開業(〒039-1212 三戸郡階上町蒼前西7-9-2932) 3)岩手大学農学部(〒020-8550 盛岡市上田3-18-8) |
イヌセンコウヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei var. canis)の寄生による激しい掻痒をともなう皮膚病変を特徴とした犬通常疥癬の7症例に対して,セラメクチンを体重1kg当たり6.0〜11.0mgの投与量で肩甲骨間の皮膚に1回滴下した.その結果,30日後には全症例でイヌセンコウヒゼンダニが陰性となり,掻痒は消失して皮膚病変の改善が認められた.これらの症例について1年間経過を観察したが,再発は認められなかった.また,セラメクチン投与による皮膚および全身的な副作用はいずれの症例においても観察されなかった.以上のことから,セラメクチンの1回投与でも十分に犬疥癬の治療が可能であることが示唆された.
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