要 約
6カ月前に縦隔型リンパ腫と診断され,化学療法にて寛解した2歳齢,去勢雄のFeLV陽性猫が定期検査のため来院した.血液検査においては貧血(PCV 20%),血小板数の減少(33×103/μl)が認められ,末梢血液塗抹では有核細胞の約半数(6,188/μl)が赤芽球であった.骨髄検査では全有核細胞中,赤芽球系細胞が80%で,芽球比率が30%未満であったため,FAB分類法により骨髄異形成症候群(MDS-RAEB
in T)と診断した.プレドニゾロンによる治療で改善がみられなかったため,ビンクリスチン,シクロホスファミドおよびシタラビンを用いた併用療法を行った.しかし貧血および末梢血中の赤芽球数の著しい増加は改善されず,治療開始約1カ月半後に死亡した.剖検による病理組織学的検査では,骨髄,肝臓,肺および脾臓に赤芽球の浸潤増殖が認められ,急性骨髄性白血病と診断された.
―キーワード:急性骨髄性白血病,猫白血病ウイルス,骨髄異形成症候群.
------------------------------日獣会誌 58,825〜828(2005) |
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小池祐子(小川動物病院)
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