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行政・獣医事

農林水産省消費・安全局 衛生管理課の組織再編

相田善勝(農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課課長補佐)

 

 平成17年10月1日付けをもって,農林水産省消費・安全局衛生管理課が,「畜水産安全管理課」と「動物衛生課」に再編された.
 食品の生産段階におけるリスク管理を強化し,食の安全・安心の確保に一元的に取り組むため,農林水産省に「消費・安全局」が設置され,当時の生産局畜産部衛生課,飼料課の機能に加え,水産庁からも関連部局の機能を加えた衛生管理課が発足したのが平成15年7月1日,それから2年3カ月を経て今回の2課体制への拡充となった.
 新しい体制は,大所帯となり,また数々の懸案を抱えた衛生管理課を大きく2つに分けるというもので,従来の衛生管理課から,家畜防疫を担当していた国内防疫関係3班と,国際衛生対策室を「動物衛生課」として,その他の,動物用医薬品,飼料等の安全性の確保,獣医事等に関する業務,さらに牛トレーサビリティ制度や水産安全に関する業務を「畜水産安全管理課」で受け持つと考えれば分かりやすい.
 国家公務員の削減,省内の課の統廃合が進められる中,今回の2課拡充というのは異例ともいえる組織の改編であるが,国内外のBSE,高病原性鳥インフルエンザ,狂犬病,コイヘルペスウイルス病等の感染症への対応,動物用医薬品・飼料等の安全性の確保と適正使用の徹底,魚介類中のダイオキシン問題等への対応等,畜水産衛生対策の社会的重要性が著しく高まる中,行政として迅速にかつ的確に対応する必要性から行ったものである.
 新しい体制は下表のとおりであり,一部の業務について対応が強化された.
「動物衛生課」では,

  1. 国内外におけるBSE,鳥インフルエンザ,狂犬病,ウエストナイルウイルス感染症等への対応
  2. 二国間の輸出入検疫への対応・協議
  3. 国際獣疫事務局(OIE)への対応

を強化することとして,国内防疫調整官,防疫企画班を新設するとともに,国際衛生対策室は「国際衛生企画班」「国際獣疫班」「検疫企画班」「検疫業務班」の4班体制で取り組むこととなった.
「畜水産安全管理課」では,

  1. 薬事法改正に伴う製造施設への立入検査の強化
  2. 食品衛生法改正に伴う医薬品等残留防止のための動物用医薬品及び飼料の規制の強化
  3. 水産動物に係る有害物質のリスク管理及び水産動物の防疫強化

を図ることとして,動物医薬品安全専門官,薬事安全基準班,飼料検査指導班監視係長,水産安全専門官が新設された.
 2課体制下においても,家畜衛生対策という共通の目標に向かって,今まで以上に両課はより密接な連携を図らなければならない.
 職員一同,気持ちを一つにして取り組むので,全国の家畜衛生関係者の方々においては,引き続き両課に対してご指導,ご鞭撻をお願いしたい.


動物衛生課
動物衛生課

 

畜水産安全管理課
畜水産安全管理課


† 連絡責任者: 相田善勝(農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課)
〒100-8950 千代田区霞が関1-2-1
TEL 03-3502-1111 FAX 03-3502-8275