lipiodolの添加によって吸収遅延処理したcisplatinまたはcarboplatinを用いた局所抗癌治療(CUL療法)を犬猫各1例の口腔内扁平上皮癌の症例に適用した.治療経過は良好で,いずれも腫瘍サイズの著明な縮小がみられ,QOLは大きく改善された.全身性の副作用は観察されなかったことから,今後,同様の腫瘍症例においても,QOL改善を目的とした治療選択肢のひとつとして有用な方法であると思われた. ―キーワード:シスプラチン,CUL,扁平上皮癌.