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この夏8月,久しぶりに東北三大祭りを見てきた.青森のねぶた,秋田の竿燈,仙台の七夕,何れも夏の思いを更に燃焼させる.ねぶた祭りは,勇壮な太鼓の響き,哀愁漂う笛の音,お囃子に欠かせぬ手振鉦(てふりかね)のリズム,これらが一体となって祭りを盛り上げる.これに合わせて跳人と呼ばれる浴衣(ゆかた)姿の踊り手が,笠や襷(たすき)に付けた鈴を鳴らして踊る.そして何といっても圧巻はねぶたと呼ばれる山車だ.武者を形どった張り子人形式のねぶたは壮大で,電飾も鮮やかな力作の数々が道幅いっぱいに練り歩く.このねぶたは,七夕の燈籠流しの変形といわれ,青森県内他にもある.弘前ではねぷたといって,扇型の燈籠で,表は勇壮な鏡絵.裏には妖艶な美女の見送り絵が大きく夜を彩る.ここでも太鼓とお囃子が盛り上げる. また五所川原では立佞武多(たちねぷた)といって,高さ22メートル,重さ17トンという巨大なもので,ここでも太鼓・笛・鉦のお囃子で沿道の観客を興奮させてくれる. ここでお気づきのように,青森はねぶたと濁るが,弘前と五所川原はねぷたと半濁音である.この違いを土地の人に聞いてみた.秋田の竿燈祭りも同様,農家は夏の労働で疲れてつい眠くなるのを醒まし,病魔を退散させるお盆の行事としての祭りだが,この眠くなる,つまりねむたくなることを,青森の人は「ねぶたい」といい,弘前や五所川原の人は「ねぷたい」という.方言の差だとのこと. さて秋田の竿燈,これは稲穂に見立てて米俵に模した提灯46個を,長さ12メートルの竹竿に飾りつけ,この竹竿を,片手・肩・腰に乗せて差し手と呼ばれる若者が操る.この竿燈がバランスを失ない倒れそうになるのを数人でまた元に立て直すと観客は歓声と拍手を送る. この提灯に使った蝋燭の残りを持っていると安産だと言い伝えがあり,ねぶたの跳人から落ちた鈴を拾うと幸せになれるといわれている.これらの風習も面白い. 仙台の七夕飾りは全国的に有名で,商店街の両脇から立てられた長大な竹竿に,趣向を凝らした吹き流しは見事だ.古くは伊達政宗の頃からの歴史があるといい.今年は戦後復活60年目として特に力を入れ賑やかだった. 今回の旅行中土地の人達と話す機会があった.青森県人は意地っ張りなところがあると.昔津軽藩と南部藩の一部が青森県にまとめられた両者の対立意識,弘前のねぷたの方が元祖だという対抗意識,方言と中央への抵抗意識などのせいか.秋田には美人が多いと自慢する.児童の足の長さは全国1位.胸の大きさも全国2位だと.秋田の人口当りの美容室の数は全国1位で,ご婦人は化粧に励むのだそうだ.仙台の人は伊達政宗以来プライドが高く,屋台では呑まない.日本酒より洋酒を好み,服装もオシャレだと.伊達男の由縁か.失言多謝.
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