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宇野雄博1,5)† 湯本哲夫2,5) 片桐麻紀子1) 金刺祐一朗1) 藤田桂一3)
山村穂積4,5) 佐藤常男5) 酒井健夫5)
1)愛媛県 開業(〒799-0112 四国中央市金生町山田井181-3) 2)埼玉県 開業(〒360-0843 熊谷市大字三ケ尻2888) 3)埼玉県 開業(〒362-0074 上尾市春日1-2-53) 4)東京都 開業(〒174-0072 板橋区南常盤台1-39-1) 5)日本大学生物資源科学部(〒252-0813 藤沢市亀井野1866) |
市販フードを主食とする平均年齢10.5カ月齢(6カ月〜1歳4カ月齢)の猫4例に,黄色脂肪症を認めたので,給与食餌との関連について検討した.発症猫2例に給与されていた2種類の市販フードの分析では,推奨量のビタミンEが含有されていたが,療法食メーカーの成猫用フードa)に比べて,リノール酸の含有率が低く,ドコサヘキサエン酸の含有率が高く,ω3系の比率はω6系に比べて高かった.次に,健康な成猫2頭に,発症猫に給与していたフードを70日間給与したところ,血中のアラキドン酸,エイコサペンタエン酸,ドコサヘキサエン酸の濃度が著しく高く,ω3系の比率はω6系に比べて高くなった.以上,推奨量のビタミンEが含有されていても,リノール酸含有率が低く,高度不飽和脂肪酸含有率が高く,ω3系の比率がω6系に比べて高い飼料を継続給与すると,黄色脂肪症を発症する可能性があると考えられた.
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