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原 著

北海道日高地方における馬の流産および
死産胎子919例の原因調査

秋葉利文1)†   竹内未来1)   山中麻起子1)   嵯峨伸彦1)
芝原友幸2)   門田耕一2)

1)北海道日高家畜保健衛生所(〒056-0005 静内郡静内町こうせい町2-2-15)
2)(独)農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所北海道支所(〒062-0045 札幌市豊平区羊ケ丘4)

(2004年6月18日受付・2004年11月4日受理)

要   約

 北海道日高地方において,1996年4月〜2000年3月に病性鑑定に供された馬の流産および死産胎子919例について,原因と胎齢との関連性を調べた.流産および死産の原因は多い順から非感染性,感染性,原因不明であった.非感染性では,臍帯・胎子循環障害と臍帯捻転の占める割合が高く,捻転を起こした胎子の臍帯長は長い傾向があった.感染性の原因としては,馬鼻肺炎ウイルスとAspergillus sp.によるものが多かった.胎齢2〜5カ月では,非感染性が48.3%(29/60),原因不明が40.0%(24/60)を占めていた.胎齢6〜9カ月では,非感染性が64.9%(429/661)と大半を占めていた.胎齢10〜12カ月では,38.9%(74/190)が非感染性で,33.7%(64/190)が感染性であった.
―キーワード:流産,馬鼻肺炎ウイルス,胎齢,馬,死産.
------------------------------日獣会誌 58,321〜325(2005)

 


† 連絡責任者: 秋葉利文(前所属:北海道日高家畜保健衛生所)
〒056-0005 静内町こうせい町2-2-15
TEL 01464-2-1333 FAX 01464-2-0542