農林水産省消費・安全局衛生管理課においては,「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」により,国内で飼養され,平成16年12月1日以降に食肉処理された牛の精肉などには,牛の個体識別番号(またはロット番号)が表示されること,また,家畜改良センターのホームページにアクセスし,個体識別番号を入力することで,その牛の品種や生産流通などの情報を知ることができる旨のパンフレットを作成し,大要次の内容を広報されているので,ここに紹介する.
1. |
牛肉のトレーサビリティの概要
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耳標装着
国内で生まれたすべての牛と生体で輸入された牛に,10桁の個体識別番号が印字された耳標が装着される. |
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届出の牛データベース化
酪農家や肉用牛農家などの届出に基づき,個体識別番号によってその牛の性別や黒毛和種などの種別に加え,出生からとさつ(と畜・解体処理)までの飼養地などがデータベースに記録される. |
[3]
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番号表示と取引の記録
その牛がとさつされ牛肉となってからは,枝肉,部分肉,精肉と加工され流通していく過程で,その取引に関わる業者などにより,個体識別番号またはロット番号(注1)が表示され,取引が帳簿に記録・保存される. |
[4] |
生産流通と履歴の把握
これにより,国内で飼養された牛については,販売されている精肉(注2)などから牛の出生までの遡及と,牛の出生から消費者に提供されるまでの間の追跡,すなわちトレーサビリティが可能となる. |
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(注1)食肉加工業者などが設定する番号.ロッド番号を表示する場合には,対応する個体識別番号の問い合わせ先をあわせて表示することとなる. |
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(注2)ひき肉や小間切れ,タンやホルモン,加工品などは除く. |
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2. |
生産・と畜から流通段階における個体識別
〈生産・と畜段階〉
平成15年12月1日施行(届出内容はデータベース化され公開)
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子牛生産農家
・耳標の装着
・出生の届出(生年月日・牛の種別など)
・転出の届け出(転出年月日など) |
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肥育農家など
・転入の届け出(転入年月日など)
・転出の届け出(転出年月日など) |
[3]
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と 畜 者
・とさつの届出(とさつ年月日など)
・番号の表示
・引渡しの記録とその保存 |
〈流通段階〉
平成16年12月1日施行(この日以降にとさつされた牛の精肉などが対象) |
[4]
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卸売業者など
・番号の表示
・仕入れの販売の記録とその保存 |
[5] |
小売店など
・番号の表示
・仕入れの記録とその保存 |
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3. |
インターネットによる牛肉の個体情報の閲覧
(独)家畜改良センターのホームページ(http://www.nlbc.
go.jp/,携帯電話http://www.id.nlbc.go.jp/mobile/)にアクセスし,個体識別番号を入力することで,その牛の情報(牛の[1]出生の年月日,[2]雄雌の別,[3]母牛の個体識別番号,[4]種別(品種),[5]飼養県,[6]異動内容(出生,転出,転入,と畜など),[7]異動年月日,[8]飼養施設所在地,[9]氏名または名称([8][9]は本人の同意が得られている場合に表示)を確認することが可能となる. |
4. |
個体識別番号の表示
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小売店(パック販売,対面販売)での表示
個体識別番号またはロット番号は,ラベルやプライスカードに直接表示する場合やボードに表示する場合などがある. |
[2] |
焼肉専門店などでの表示
小売店だけでなく,提供する料理が主として「焼肉」,「しゃぶしゃぶ」,「すき焼き」,「ステーキ」の料理店(注)でも,その料理の材料である牛肉が主として,個体識別番号またはロット番号が表示されている牛肉の場合には,その個体識別番号またはロット番号が表示される.
(注)いわゆる専門店が対象であり,いろいろなメニューを提供するレストランなどは対象としない. |
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