要 約
山口県内の飼猫の血液中におけるバルトネラ属菌の保菌状況を調査したところ,その15.8%(6/38)からバルトネラ属菌が分離された.菌が分離された6頭のうち,4頭はBartonella
henselae,1頭はB. clarridgeiae,また1頭はB. henselaeとB. clarridgeiaeの2菌種に混合感染していた.分離されたB.
henselaeの5株の16S rRNA遺伝子型はすべてI型であった.また,流行する菌株のゲノムパターンをパルスフィールドゲル電気泳動法により解析したところ,B. clarridgeiaeの2株は同じパターンであったが,B.
henselaeにおいては多様なゲノムの菌が分布していることが明らかとなった.
―キーワード:Bartonella clarridgeia,Bartonella henselae,猫,猫ひっかき病.
------------------------------日獣会誌 57,663〜666(2004) |
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冨田正章(山口県環境保健研究センター)
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