会議報告

≪審議事項及び議決事項≫
第1号議案:平成15年度事務事業及び決算報告の件
(1)平成15年度事務事業の報告;
 大森専務理事から次の事項の概要について報告,説明が行われた.
[1]規程の改正等(議案書32〜34頁)
[2]要請活動等(議案書34〜44頁)
[3]職域別部会組織導入の検討(議案書44〜52頁)
[4]獣医師道の高揚に関する事項(議案書53頁)
[5]獣医学教育の充実に関する事項(議案書58〜63頁)
[6]獣医師の研修に関する事項(議案書63〜71頁)
[7]獣医事の向上に関する事項(議案書72〜98頁)
[8]獣医事関係の情報の提供に関する事項(議案書98〜100頁)

(2)平成15年度決算の報告;
 大森専務理事から議案書105〜124頁に沿って一般会計から事業会計まで予算額と決算額の差異の大きい科目について要点の説明が行われた(決算書概要別紙1参照).

(3)監査報告
 上記のとおり,平成15年度事務事業及び決算について報告が行われた後,玉井公宏代表監事から,平成15年度における事務事業及び決算の状況について,議案書125頁のとおり,「定款及びその他の規程に従い,適正に処理されている」旨の監査報告が行われた.


【質  疑】
 第1号議案の質疑の概要は,次のとおり.
(1)愛知県獣医師会(中村 志会長)から「[1]日本における獣医学教育の充実に関し,学部教育の教授が大学院教育の教授にそのまま残るなど問題が指摘されている一方,外国では両者が明確に分けられていると聞くが,獣医学関係者はどのような対策を考えているのか,[2]野生傷病鳥獣の保護活動に関し,愛知県獣医師会では約80万円ほどの県の委託費を計上しているが,これを会員一人当たりの額に換算すると,僅か1,000円であり,手間ひまのかかる傷病鳥獣の保護事業について,環境省に対する要請等,積極的な取り組みを要望したい,[3]職員給与に関し,予算では4,100万円計上していたものが,決算では2,458万円となっているが,これは,助成事業の経費で補填したための減額と理解してよいか」との質疑が出された.
 上記質疑のうち,[1]については,金川副会長から「日本の大学教育では,学部教育と大学院教育が明確に分かれていないが,北大と東大は獣医学の大学院をもっている.残りの8大学(前国立大学)の獣医学の大学院教育は,緊急避難的な措置として連合大学院を設置して,岐阜大学と山口大学が基幹校として対応しているものの,その後の手当がなされておらず,日本獣医師会も他の大学も長年にわたって取り組んでいるが,なかなか思うように進まない」旨の回答が行われた.
 [2]については,大森専務理事から「日本獣医師会では,現在,野生動物委員会で各論的な野生動物救護ガイドラインの策定を行っており,その円滑な推進をガイドラインという形で整備していきたい」旨の回答が行われた.
 [3]については,大森専務理事から「昨年度からJRA予算で大型助成事業を実施しているが,事業を担当する職員の給与費の相当額の一部を助成事業特別会計で負担することができたこともあり,結果として一般会計の給与費の対予算・決算減で対応できたものである」旨の回答が行われた.

(2)福岡県獣医師会(杉谷篤志副会長)から「職域別部会組織の導入に関し,議案書51頁の組織再編案の図,野生動物委員会が小動物臨床部会の個別委員会とされているが,これは救護の観点から臨床に関連するとの考え方であると考えられる.しかしながら,野生動物問題は,共通感染症等公衆衛生上の問題や,畜産に対する被害等にも関連するので,小動物臨床部会に限定した形ではなく,産業動物臨床部会,公衆衛生部会をも網羅した形で検討するべきではないか」との質疑が出された.
 これに対し,大森専務理事から「これは,現在,日本獣医師会に置いている委員会を部会制の中で仮置きしたものであるが,小動物臨床部会の中に位置付けられたとしても,野生動物委員会では小動物臨床関係者のみならず,公衆衛生関係者,動物愛護関係者も含めて対応することになると思っている.いずれにしても,6部会制を発足させた後の運営については,ご意見等踏まえ,今後の運営課題の中で詰めていきたい」旨の回答が行われた.

(3)奈良県獣医師会(宗会長)から「学校飼育動物に関し,日本獣医師会から文部科学省に対して要望書が提出されているが,その中で学校飼育動物支援体制の整備について,学校飼育動物獣医師巡回指導委託事業の創設等支援システムの整備が掲げられている.奈良県においては,昨年500カ所の学校と幼稚園を巡回したが,その実態は,飼育施設が不備であったり,餌代を先生のポケットマネーで賄っている等,教育委員会の予算措置が講じられていないことが明らかとなった.奈良県獣医師会においても教育委員会に対して要望しても予算化されないという実態であるので,その予算化等について文部科学省から何らかの回答が得られているのか」との質疑が出された.
 これに対し,大森専務理事から「学校飼育動物支援対策の安定的な推進のために事業化の必要性を要請している.これに対して文部科学省は承りましたという回答であったが.日本獣医師会としては,引き続き積極的に要請活動を推進していかなければならないと考えている.本年度の課題ということでご理解いただきたい」との回答が行われた.
 
【採  決】
 以上の質疑応答の後,議長は第1号議案の採決に入り,拍手で承認を求めたところ,拍手多数により,第1号議案は,原案どおり異議なく可決承認された.

第2号議案:平成16年度事業計画(案)及び収支予算(案)の件
第3号議案:平成16年度会費及び賛助会費の件
 議長は,「第2号議案及び第3号議案はいずれも関連があることから,両議案を一括上程する」旨を告げた後,議案審議に入ったが,その概要は次のとおり.
(1)平成16年度事業計画(案)の説明;
 大森専務理事から議案書129〜133頁に沿って,前年度事業計画と異なる事項を中心に要点の説明が行われた(別紙2参照).
(2)平成16年度収支予算(案)の説明;
 大森専務理事から議案書137〜147頁に沿って,一般会計から事業会計まで前年度予算額と増減の大きい科目について要点の説明が行われた(予算概要別紙3参照).
(3)平成16年度会費及び賛助会費の件の説明;
 大森専務理事から議案書151〜152頁に沿って,平成16年度会費及び賛助会費の額及びその徴収方法について説明が行われた.

【採  決】
 以上の説明の後,特に質疑がなかったことから,議長は第2号議案及び第3号議案の採決に入り,拍手で承認を求めたところ,拍手多数により,第2号議案及び第3号議案は,いずれも原案どおり異議なく可決承認された.

第4号議案:日本獣医師会定款の一部変更及び定款施行細則の一部改正の件
(1)定款の一部変更の説明;
 大森専務理事から議案書153〜159頁に沿って,定款の一部変更案について説明が行われた(第57巻7号406〜407頁(平成16年度第1回理事会の議事概要)参照).
(2)定款施行細則の一部改正の説明;
 大森専務理事から議案書160〜164頁に沿って,定款施行細則の一部改正案について説明が行われた(第57巻7号406〜407頁(平成16年度第1回理事会の議事概要)参照).

【採  決】
 以上の説明の後,議長は質疑に入ったが,「異議なし」の声により,第4号議案に対する賛成を求めたところ,拍手多数により,第4号議案は,原案どおり異議なく可決承認された.

≪議長・副議長退任≫
 穴見議長から「以上をもって本日のすべての議案審議を終了した.円滑な議事運営について各位のご協力に感謝と御礼を申し上げる」旨の退任挨拶が行われた後,穴見会長ならびに市田会長は自席に戻った.

≪閉  会≫
 朝日事務局長が,第61回通常総会の閉会を告げて終了した.