|
・獣医師の所感:接種後症状の発現までの時間,症状等からワクチンの接種反応と考えられる. ・企業の意見:ワクチン接種6時間後に起立困難,嘔吐等が見られていることから,ワクチンとの因果関係は否定出来ないと思われる.なお,併用薬としてARコンポーネントワクチン(他社)があり,豚大腸菌コンポーネントワクチンとARコンポーネントワクチンの同時異部注射と副作用出現との因果関係は不明である.本剤の安全性について,今後も情報収集に努めたい. |
|||||||||||||||||||||||||||||||
・企業の意見:重篤度においては,明らかに通常涙液分泌量より少なく,転帰については,未回復から軽快となり回復傾向を示しているが,担当獣医師はドライアイの症状を重く見ており,担当獣医師と同様に,「重篤」と判定する. 因果関係においては,併用薬(クロラムフェニコール点眼液)による因果関係は不明であるが,本剤投与終了後から発症しており時間的関連は否定できず,また,過去の報告において類薬で涙液分泌不全の原因の一つとして挙げられており因果関係は完全に否定できないため,担当獣医師と同様に「関連あるかもしれない」と判定する. 今後の対策としては,同様の副作用発現には特に注目して観察を行い,同様の報告の収集に努める. |
|||||||||||||||||||||||||||||||
・担当獣医師:ワクチン注射後10秒以内の発現状況から,ワクチン注射によるアナフィラキシーショックであると考える. ・企業:注射後10秒以内に呼吸停止,心拍数低下が認められていることから,アナフィラキシーショックであると思われ,ワクチンとの因果関係は否定できないものと考えられる. *ワクチンの添付文書にはすでに,制限事項として『(3)本剤を注射後,副反応(アナフィラキシー等)による事故を最小限にとどめるため,注射後しばらくは観察を続けること.帰宅させる場合は,なるべく安静に努めながら帰宅させ,当日は帰宅後もよく観察するよう指導すること.』,副反応として『(2)過敏な体質のものでは,まれにアレルギー反応[顔面腫脹(ムーンフェース),掻痒,じんま疹等],又はアナフィラキシー反応[ショック(虚脱,貧血,血圧低下,呼吸速迫,呼吸困難,体温低下,流涎,ふるえ,けいれん,尿失禁等)]が起こることがある.(3)副反応が認められた場合には,速やかに獣医師の診察をうけるよう指導するとともに,副反応に対しては適切な処置を行うこと.』と記載している. 今後とも安全性及び副作用情報についてはより注意深く収集するように努める. |
|||||||||||||||||||||||||||||||
・担当獣医師:注射3分後での発現状況から,ワクチン注射によるアナフィラキシーショックであると考える. ・企業:注射3分後に呼吸停止,可視粘膜蒼白が認められていることから,アナフィラキシーショックであると思われ,ワクチンとの因果関係は否定できないものと考えられる. 以下*(前記医薬品報告企業の意見)と同様 |
|||||||||||||||||||||||||||||||
・担当獣医師:注射後,元気消失,嘔吐,下痢が認められていることから,ワクチン注射によるアレルギー反応が死亡の原因であると考える. ・企業:注射後,元気消失,嘔吐,下痢が認められていることから,アレルギー反応である可能性が考えられ,ワクチンとの因果関係は否定できないものと思われる. 以下*(前記医薬品報告企業の意見)と同様 |
家畜衛生週報(No. 2798〜2799)より |