短 報

採卵鶏に発生したクロルピクリン中毒


日高健雅1)†  望月英子1)  菊池浩久1)  横田文彦1)  藤井 司1)
須山義信1)  渡邊史郎2)  小林弘明2)

1)広島県福山家畜保健衛生所(〒729-3421 甲奴郡上下町深江396-1)
2)広島県東広島家畜保健衛生所(〒739-0013 東広島市西条御条町1-15)

(2003年3月17日受付・2004年1月16日受理)

要   約

 2001年4月に約40,000羽を飼育する採卵鶏農場で,約3,000羽の鶏が開口呼吸,チアノーゼ等の臨床症状を示し急死した.発病前日,発生農場に隣接する畑に土壌消毒のためクロルピクリン製剤が注入されていた.病理学的検査結果から,死亡鶏は急性カタル性線維素性気管支肺炎を呈していた.また未発症鶏の血中総ヘモグロビンは著しく上昇していた.これらの結果から,死亡原因としてクロルピクリン中毒が疑われた.
―キーワード:クロルピクリン,採卵鶏,中毒.
------------------------------日獣会誌 57,377〜379(2004)

 


† 連絡責任者: 日高健雅(広島県福山家畜保健衛生所)
〒729-3421 甲奴郡上下町深江396-1
TEL 0847-62-4213 FAX 0847-62-3979