昭和62年に発足した獣医学術奨励賞は小動物部門,産業動物部門ならびに公衆衛生部門のそれぞれに学術賞,奨励賞および功労賞を授与することとしており,ユニ・ハートス(株),日本全薬工業(株)および日本ハム(株)の協賛を得て今年で15年目をむかえた.
賞の選考は,学術賞は日獣会誌の平成11年8月号から平成13年7月号に掲載された原著・短報を対象に,奨励賞は学会年次大会(広島)において発表された地区学会長賞の中から選考された学会長賞に,功労賞は推薦のあった永年の功労の業績の中から,選考委員会において厳正に審査して行われるもので,受賞者には平成13年度学会年次大会(広島)において日本獣医師会会長から本賞が,協賛会社から研究奨励金50万円がそれぞれ授与された.
表彰された研究業績ならびに受賞者を以下に紹介する.
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〔小動物部門〕 |
学術賞: |
「レーザー免疫比ろう法による健常犬および疾患犬におけるC-反応性蛋白の測定」
大西堂文(山口大),他 |
奨励賞: |
「日本における犬ボルナ病初発例」
賀川由美子(病理組織検査ノースラボ),他 |
功労賞: |
「小動物臨床麻酔学の研究ならびにその発展と普及」
小笠原成郎(元:北里大) |
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〔産業動物部門〕 |
学術賞: |
「乳牛の潜在性乳房炎と乳頭口異常の関連」
板垣昌志(山形NOSAI),他 |
奨励賞: |
「黒毛和種で発生した先天性免疫不全症候群」
岡田洋之(酪農大),他 |
功労賞: |
「牛の発情・排卵同期化法の開発等による繁殖管理の省力化および繁殖率の向上」
金田義宏(元:農工大) |
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〔公衆衛生部門〕 |
学術賞: |
「食肉のサルモネラモニタリング」
後藤公吉(新潟県食肉衛検),他 |
奨励賞: |
「磁気ビーズを用いたImmuno-Capture RT-
PCR法の試み」
榮 賢司(愛知県衛研),他 |
功労賞: |
「獣医公衆衛生学分野における病原菌および腸内菌叢の生態と分類に関する研究」
金内長司(麻布大) |
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なお,受賞者には平成13年度学会年次大会(広島)会期中に開催された授与式において,日本獣医師会会長から本賞が授与された. |
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平成13年度日本獣医師会獣医学術奨励賞の受賞者(左から,大西堂文,賀川由美子,小笠原成郎,板垣昌志,岡田洋之,金田義宏,後藤公吉,榮 賢司,金内長司の各氏) |
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